2019/06/11
くっくまバンド初ライブ
ひょんなことからカンボジアのこの孤児院の子供達をカンボジアで一番の大スターにしてやるという「希望の星プロジェクト」が始まった。
今回は私がひとりドラムでプノンペンで演奏するので、
「ゲストで2曲演奏してや〜」
と頼んでいたのだが、予定が近づいて来たら美和お母様から、
「ファンキーさん、バンド内でバチバチ喧嘩が始まって」
と・・・
!(◎_◎;)
詳しい事情はよくわからないが、
どうやら一番早くから「私は歌手になる!!」と決めているボーカルのスレイクォイが、
それよりも意識は低いであろうバンドのメンバーに対して気が逸り過ぎて、
バンドはバンドで「あいつ何なんだ!!」となっているような感じだろうか・・・
バンドあるある!!(笑)
まあでも同じ「バンドあるある」でも、ボーカルと他のバンドメンバーとの対立というのは一番始末が悪い。
ボーカルというのはバンドの「顔」なので、万が一その気になっちゃえばその他のすげ替えなんて簡単に出来てしまうのだ・・・
美和お母様は一生懸命それぞれのメンバーと話して解決を図っているいるのだが、
基本的に「人間の感情」というものは何を積まれたって人がコントロールすることは無理なのだ。
例えば私が「あんたバンドやめたらもうあんたも相手にしないからね」などと言ったところで、
「じゃあ」ということで表面だけ繕ってまたやり始めたっていいモノなんか出来やしないのだ。
心の中で「あいつはイヤだ」と思ったらやっぱ人間なんだからそれが態度に出たり「音」に出たりする。
どんなエサをぶら下げたって「イヤなものはイヤ」なのだ。
まあ9日にライブやることは決まっているのだから、
誰が誰をどう思ってようがライブはちゃんとやらないかん!!
ライブの後のことは置いといて、とりあえずはおだてたりすかしたり、
ありとあらゆる手を使ってライブだけはちゃんとやれるように持ってゆくことが私の「責任」である。
とりあえず何も知らない顔してくっくま孤児院に乗り込んだ。
カンボジアくっくま孤児院なう〜明日は一緒にライブ!!頑張って練習するのぢゃ!! - Spherical Image - RICOH THETA
「もうそれぞれは会っても口もきかないんですよ」
と美和お母様は心配そうに言うが、
まあ私が来たら、私からみんなにモノを言うだけで、別にそれぞれが相談したり会話したりする必要は全くない!!
色々と指示を出しながらリハーサルが始まった。
この日の目標は、翌日のライブで売るべくいい練習テイクの動画を撮ること!!
一応そのDVDを1ドルで売ろうと思っているのだが、
私は「スーパースターになる!!」ということはこの「1ドル」の上に積み重なるものだと思っている。
「よく僕は(私は)スーパースターになるんだから」ということで、
全てをすっ飛ばして「スターになれば全て帳消し」みたいに思ってる若者もいるが、
どんな「商売」もその「1ドル」の上に乗っかっているのが「世の常」だと私は思っている。
だからこの子たちにも早いうちからそれをわかってもらいたい。
頑張って今日、少しでもいいテイクの動画を撮って、
それを明日1ドルで売るんだ!!
次はもっといいテイクを撮って、それも1ドルで売って、
いつかはアルバムも作って、それを今度は10ドルで売るんだ!!
そしてその延長線上に信じられない大金を動かすこの子たちの未来があるかないか・・・それは本当に神様のみが知ることである。
人間は神様にはなれない。
人間が出来ることは「努力」と「準備」だけしかない。
だからそれをやって天命を待つ。
それしかないのである・・・
もし仲違いがもう決定的で、この1ドルのDVDが、彼らの最初で最期の作品になるかも知れない。
神様がそう決めたのだったらそれはそれでもう仕方がない。
最初で最期の作品を出来るだけいいものにするしかない。
一回練習してはそれを撮ってメンバーに見せる。
まあ言わなくてもわかってる部分はあるので、気づいてないだろう部分とアドバイスだけを伝えてもう一度やってみる。
まあこれを何度か繰り返すだけである。
知らんぷりしながら時々こんなことも言ってみる。
「ほら、今回はドラムがとてもよくなったからそれに影響されて歌が変わったでしょ。それがバンドだからね、あなたも自分がもっと輝きたかったら他のプレイヤーを励ましながら歌いなさい。そしたら自分がもっとよくなるからその方が得でしょ」
見れば根深い仲違いなどはなさそうで、前情報などなければ彼女たちが大喧嘩をしてたなんて全く分からない。
バンドは楽しいのだ!!
楽しいからちょっとぐらいイヤなことがあってもバンドやってると忘れちゃうのだ!!
それでいいのだ!!
誰かが間違って撮り直しをしても誰も文句は言わない。
「頑張ってもう一回やろうよ!!もっといい演奏を撮ろう!!」
「音楽」とは全くもって素晴らしいものである。
グルーブもだんだん出来上がって来て、最終的に撮れたのがこのテイク!!
いや、もっと何回もやればもっといいのが撮れたかも知れないけど、
おじさんもう疲れた・・・(笑)
というわけでこの日は夕方で練習やめてとっとと帰った。
「あとは自分たちで練習してね」
そうそう、仲違いなんかしてたら明日いい演奏出来ないよ(笑)
「明日みんな緊張でガチガチになって全然弾けなかったら歌えなかったらどうしよう・・・」
どの国もお母様は気苦労が多いものである(笑)
出来なかったら出来なかったでそれも含めて「ライブ」なんですよ!!
そう伝えてくっくま孤児院をあとにした。
翌日、午前中に美和お母様からこんなメッセージが飛び込んで来た。
「キーボードのティアルッが朝から頭痛で寝込んでます!!」
しゃーないなぁ・・・それもひっくるめて「ライブ」である。
私が一応ギターででも代わりが出来るように練習しとこう・・・
もし本番までに彼がよくなればギターの上にキーボードが乗っかればそれでいい・・・
というわけで最終リハをやるためにまたくっくまに向かう・・・
キーボードのティアルッも何とかリハに参加している。
無理しなくていいのに・・・
もう私のギターのためのリハーサルなので(笑)一度通しただけで機材を積み込んで会場へ向かう・・・
男の子たちは機材車に乗り込んで、女の子たちはお母さんのバイクで・・・って3人乗り!!!(◎_◎;)
カンボジア人かっ!!・・・頼もしいのう・・・(笑)
会場に着いてサウンドチェック代わりまた1回だけ通す!!
それでもうあとは本番を待つのみである!!
さて本番である!!
ギターにかまけて自分がドラムを叩くということを全く忘れていて、
ケーブルを一本持って来るのを忘れてたのでホテルに取りに帰り、
目的のケーブルを持ったら別のケーブルを置いて来てしまってまたホテルに取りに帰る(笑)
もうね、何をやってんのですわ・・・あたふたとセッティングしてドラムを叩いて、
メインゲストであるくっくまバンドを紹介する・・・
そしていよいよくっくまバンド初ライブ!!
曲を書いたのは私だけど、詞は自分で書いて、「自分たちの曲」となったこの2曲を初めて人前で演奏した瞬間である。
映像で見てもよくわからないが、「むっちゃ緊張してたね」というお客さんもいた。
でも途中で止まることなく最後までちゃんと演奏出来た!!
ドラムのダビッは力み過ぎてちょっとヨレたけど、
気持ちが余ってのことならライブでは問題ない。
むしろ怖いのは気持ちが「萎えて」しまうことである。
そういう意味では4人ともみんなよく頑張った!!
気がつけば仲違いとか全く忘れてしまってた・・・
思えば彼女たちは一緒にこの孤児院で暮らして来た「兄弟姉妹」のようなもの。
いくら兄弟喧嘩したって兄弟であることは変えられないのと同じである。
バンドは難しいものだけど、色んな困難を一丸となって乗り越えて頑張っていって欲しい。
次は6月18日!!!ファンキーはんと大村はんのゲストで、今度は4人だけでやってよ〜
もちろんまたリハーサル映像撮って1ドルで売るよ〜
同じ曲が前より下手になってたらメンツ丸つぶれだからね〜(笑)
頑張ってよ!!
もっと団結してもっと進歩した君たちを待ってるぞ!!!
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