2019/10/07
くっくまバンド純カンボジア風新曲!!
中国でもそうだったが、「その国らしい曲やアレンジ」というのは「その国」に住んでないとなかなか難しいというのが私の持論である。
その国の人たちと一緒に暮らし、同じものを食べ、同じ空気を吸う(これ大事!!)、そうでなければ「それ風」のものは作れても、本当に現地の人の心を揺さぶる作品は出来ないと思っている。
かくいう私は別にカンボジアに住んでいるわけではないが、
この部屋を借りて以来、何やらバイオリズムが変わって来ているように思う。
地元ミュージシャンの知り合いも増え、密に連絡も取れるようになり、
今後のセッション活動にも大きな変化が現れるものと思われる。
そんな中、400ドルで買ったバイクに乗り、エンストと戦いながらふと降り立ったTuol Tompoung Marketでとあるメロディーが降りて来た。
まあその骨董品に囲まれた雰囲気、暑いので仕事せずに寝てるおばちゃん、
そこに場違いのように迷い込んだ金髪の変な男のコミカルさがメロディーになって出て来たのかも知れないし、単にその市場のどっかから流れて来たのを聞いただけかも知れない。
なんかそのメロディーを口ずさみながら市場の中を歩いていると楽しい・・・
そんな中で「サビ」をつけてみる。
しかし気がつくとまたそのメロディーに戻ってしまっている・・・
「まあいいや」とばかりそのメロディーを符号化して頭の中にメモしておく。
こうして符号化して置いてあるメロディーは多い。
家に帰ってからまだ残っていればそれを数字譜にでもして実際にメモして置いておくし、忘れてしまってたら「ああその程度の曲か」ということで忘れてしまうことにする。
ところがこのメロディーは、忘れるどころか、カンボジアのこのプノンペンの空気の中でまた突然頭の中に響いて来るのだ・・・
「じゃあちゃんと曲にでもしときますか〜」というわけでLogicで簡単に打ち込んでDEMOにしてみる。
私は自分のことを「天才」だとは思ってないので、「スッゲーいい曲出来た!!」みたいな時は、「どうせどこかでヒット曲かなんか聞いてそのメロディーが頭に残っていたのだろう」と信じて疑わない。
だから常に「どっかにあるメロディーなんじゃないか」と疑ってその「元曲」を数日間かかってでも探す。
この作業が私が「遅筆」である理由のひとつでもある。
運よく元曲が見つかれば、「雰囲気は似てるけどメロディーは違う」みたいに落ち着くように整理するし、「全く同じ」ならばもう諦める。
元曲が思いつかない場合は大変である。
どの曲とは言わないが、実際に発表した後にとある曲と全く同じだったということもあった・・・
ところがこの如何にもカンボジアっぽいメロディーは自分としては検証のしようがない(>_<)
そもそもそんなにカンボジアの曲をたくさん聞いたわけでもないし、
カンボジアのこれらの曲と似ているお隣のタイのルークトゥンだったりすると、
過去のアジアの番組をやってた時に紹介した曲のメロディーだったりするともうお手上げである。
まあこれは一度ちゃんとした曲のして、DEMOをくっくま孤児院に送りつけて、実際にカンボジアで住む人たちに聞いてもらえばと思った次第である。
サビの歌い出しは「サビ」なのだが、気がつけばそこからまたAメロと同じメロディーに戻っている・・・
こういう部分はわざとメロディーを違えて「サビ!!」という感じにするのだが、何やらメロディー自体がそれを変えられるのを嫌がっている感がある・・・
まあここカンボジアの「空気」が、「何しよるん?別にええやんこのままで」と言ってるように思われ、結局メロディー整理は断念(>_<)
曲の「掴み」として最後にブレイクして「何か言葉を乗せる」と文面では書いておくが、DEMOとしてはとりあえず不協和音の変なメロディーを打ち込んで「ここは言葉なんだよ」みたいなことを匂わせておく。
「ここに面白い詞を乗せたらウケると思うよ」と注釈も送っておく。
しばらくしたらそれを聞いたくっくまバンドの二人からメッセージが送られて来た。
現地の人が聞いたらやっぱこの曲はいい曲なのか!(◎_◎;)・・・というのが先月半ばのこと。
そして昨日、勝山に「居酒屋勝プノンペン店を出さんか〜」と言うてみたら「ほな一度行ってみましょうかねぇ〜」と言うので、私も南京のイベントの終了後、北京までの移動日を利用して(笑)ここプノンペンに降り立った。
勝山がタコパの準備をしている間、バンド部屋にてバンドのメンバーと会ったら、「もう歌詞は出来ました」と・・・
しかも今回はボーカルのスレイクォイが書いたのではなく、ドラムのダビッが書いたらしく、私がLogicをインストールして置いていったパソコンでちゃんとダビッの歌でDEMOまで作ってあった!(◎_◎;)
使い込んでおるのう・・・(嬉)
くっくまバンド新曲DEMO - Spherical Image - RICOH THETA
「この曲、ダビッが歌うの?」と聞くと「いえ、私が歌います」とスレイクォイ。
じゃあ実際に演奏してみようということでバンドでやってみる・・・
ところが最後の部分、「この部分はメロディーではなく言葉で」と書いていたのに、解釈が違ってて、私が打ち込んだ不協和音の変なメロディーを完璧にコピーしてキーボードで弾いている(笑)
いや、違うし〜・・・しょせん彼らが日本語を喋れると言っても生活言語程度、私が日本語と共に英語とクメール語でメールを送ったと言ってもしょせんGoogle翻訳(笑)
やはりコミュニケーションは実際に会ってやるには全く及ばない。
「この部分に面白い言葉を乗せるとむっちゃウケるよ!!」
いわゆる曲の「キモ」の部分である。
「みんなで考えて〜」
私が作ったのは5文字の言葉だった。
スネア1回叩いて1文字、また1回叩いて1文字、そして次に2回叩いて5文字。
この5文字が「キモ」、ここでウケればこの曲は大成功!!ウケなければ・・・まあ普通の曲(笑)
みんなゲラゲラ笑いながらあれがいいこれがいいと出して来る。
ちなみに私にはどんな意味か全くわからない(笑)
なんかひとつの言葉に落ち着きそうだったので助け舟を出す。
別に4文字だったらそれでもいいよ。その空間を短くするから・・・
結局4文字か5文字いうのではなく、何やら喋るような言葉を選んで来た。
ディレクションとしては「みんなウケてるかどうか」(笑)
拍数としては3拍、リズムとしては4分の2が入って・・・
と説明しようと思ったが、まだ彼らには難しいか・・・
「喋り終わったらスネア叩いて〜」
これで完成!!本人たちはきっと4分の2が入っていることはわかってないが、まあこれでいいのだ!!
こうして一応初めてこの曲が形になった!!!
おっ!!なかなか楽しいぞ!(◎_◎;)
「キモ」の言葉も何言ってるやらわからんが、ロックやヒップホップみたいな響きでかっこいいぞ!!
そもそもひとつの子音にひとつの母音がついてそれだけの発音である日本語と違って、カンボジアの「クメール語」というのは子音が複合子音で巻き舌音が入ったり、英語のように末尾子音がついたりするのでこのように「語感」が全く違うのだ。
はてさて、どんな内容を歌っているか全くわからんが(笑)、彼女たちが楽しくて、結婚式などで歌い継がれてゆく曲になると嬉いぞ〜!!
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