2012/07/14
森達哉「A3」
出版社が「こんな本も出版してるんでよかったら」と言って何冊か本をくれた。
その中でもこの本は飛び抜けて面白くて、
山東省ツアーの時も合間合間にずーっと読んでいた。

この本が第33回講談社ノンフィクション賞を受賞して、
いろんな抗議が寄せられたという。
「どんな本を出そうが人の勝手だが、
売れないぶんにはいいが、
賞なんかあげたらこんな本が売れちゃうだろバカヤロー」
と言ってるように思えるのはワシだけか・・・
まあ真実は誰にもわからないが、この本に書かれている通り
きっと麻原がもう頭がおかしくなっていて、
糞尿を垂れ流しながら面会に来た娘の前でもオナニーをしたりするのは事実で、
それを目の前で見ながらも司法は
「いや頭はおかしくない!!」
と言い張り続けているというのも事実だろう。
戦後最大の大犯罪である。
死刑になるのは当然だと思うが、
国を挙げて
「オウムはこうなんだ!!他の見方は許さん!!」
みたいのは怖いな・・・
ワシが思ったのは、
「大学入学を拒否された麻原の娘さんや、
義務教育を拒否された息子さんなんかと、
ワシがひょんなことから縁があったりしなくてよかった」
ということだ。
「あんな人達に人権はない」
とワシも素直に思えたらいいのだが、
「いや、それは間違っとる!!」
と思ってしまったら、そりゃワシまた何やりだすかわからんからなあ・・・
日本国籍の子供を入学拒否した北京の日本人学校や、
ライブハウスから集めた著作権料を絶対に公開しないブラックボックスに入れて違う人に支払っている、もしくは支払ったと言ってるだけで誰も確かめられないという著作権団体に対しては、
ワシが「アホかお前は!!」と言っても味方は多い。
でもオウムはなぁ・・・難しいな・・・
まあたまたまここには「縁」がなくてまだ平穏に暮らせてるんだな、とつい思ってしまうのう・・・
まあ事実にはいろんな側面があるから、
これもひとつの側面だというだけで、
何も麻原やオウムを弁護するつもりも何もない。
「読み物としてはショッキングで面白かったよ」
としか言えないのである。
まあ興味がある人は読んでみて下さい。
ワシは読み終わったので二井原んちの玄関先にそっと置いておこう。

