2006/07/29
北朝鮮美女軍団ロックバンド
北朝鮮から無事帰還!
いやー4日間メールを見れないと300本以上メールが溜まりますなぁ・・・
まあそのほとんどが迷惑メールですが・・・
北京空港に降り立ち、白タクの運ちゃんにまとわりつかれながら、
タクシーに乗って我が貧民街に降り立つと、ほんと平壌の街の清潔さを思い知る。
「ゴミひとつ落ちてない街」と言うのはまさにこのことである。
ご存知の通り平壌では観光客が自由に行動することは禁止されているが、
そこはそこ、ThatはThat、ThisはThisである。(ようわからん・・・)
案内人兼監視役のガイドのみならず、その上司である国家機関にまでコネを持つ
(北朝鮮オタク略して)北タクに不可能はない。
主体思想塔前広場でドラムは叩くわ、
遊園地に行って地元の子供と一緒に遊ぶわ、
しまいには現地の人のピクニックに乱入して一緒に大酒飲む始末・・・
それにしても日朝関係がテポドンにより非常に緊迫している中、
おりしも偉大なる首領様が、アメリカ帝国主義を打ち破った記念すべき祝日に、
道行くこんな日本人を宴に招き入れ、
あろうことか一緒に日本の歌などを歌うなどして許されるのか!
出発前にアメリカのウェイン・デイヴィスから
Please be careful in North Korea.
The Government is crazy over there.
I don't think North Korean government like Rock 'n Roll.
Just play drums, don't drink beer or go to parties.
と言うメールをもらっていながら、ワシはそれを全部破ってしまったのである。
まあ並のアホならこのぐらいで満足して帰国するのであろうが、
残念ながらワシのアホは国際級である。
ことあろうかワシは更に人民に「ロックを教える」と言う暴挙に出るのである。
まずこの美女軍団を見て欲しい。
偉大なる首領様がおりしも6月9日ロックの日に建てられた
と言う中学校の音楽クラブの美女達である。
(注:北朝鮮は小学校4年、中学校6年制である)
もともと「平壌に住むにはルックスのオーディションがあるのか!」
と言うぐらい見事に美人しかいない街じゃったが、
その中でも音楽を志す女の子にはルックスが不可欠である。
彼女達は毎日の授業を終えると、ここの練習場で歌や楽器を練習し、
そして外国人のお客さんにそれを披露する。
いやはやこれが可愛いのなんの・・・
そして彼女達の笑顔で送り出されて、
満面の笑みで帰ってゆくのが通常の観光客なのじゃが、
ワシはここで「よし!お前らにロックを教えてやろう!」と言い出した。
こんな暴挙を案内人兼監視役のガイドが許すのか?!!
学校側がこんなことを許すのか?!!
ところがこの国では誰も「ロックとは何ぞや?!」なんてこたぁ知らない。
噂にも聞いたことがないんだから通訳のしようもない。
学校の先生と来たら、
「そんなありがたいものをタダで教えて下さるなら・・・」
と言うことで、それから毎日ワシはこの学校で
この美女軍団予備軍相手にロックを教えることとなる。
まあとりあえず彼女達のレパートリーの中から1曲選んで
それをワシがアレンジして譜面にする。
後はそれを手取り足取り教えればいいのであるが、
それがまさに「言うは易しやるが難き」である。
ベースは弦が3本しかないし、ギターも弦が3本しかない。
エフェクターなんぞあるよしもなく、
アンプに至ってはベースにギターに2台のキーボードまで突っ込んでいるので
スピーカーはブーブーと悲鳴を上げてる始末・・・
しかしワシは声高に言う。
「ロックは楽器でやるもんじゃない!」
もともとこの国の体制で育った素直ないい子達である。
先生であるワシのありがたい言葉を首領様の言葉と同じように胸に刻み、
かくして北朝鮮音楽史始まって以来、「ロック版、統一アリランの歌」が完成した。
お聞かせできないのがまことに残念である。
彼女達はこのアレンジで
また今日も外国人観光客を笑顔で楽しませていることじゃろう。
あーいいことをした!
ビールも旨いっつうもんである。
持って行ったツインペダルとスティックはもちろん彼女達に寄贈し、
ついでにギタリストには橘高モデルのピックをプレゼント。
紐で作ってあげたストラップじゃ肩が痛いじゃろうから、
次に行く時にはストラップと、その他いろいろ楽器を持って行ってやろう。
あれ?・・・ワシ・・・どっかでこんなことしてたなぁ・・・
そうじゃ、ワシが初めて中国来た時もこんなことしてた・・・
彼女達へのファンレター、激励のお手紙はこちらまで。
但し、次に行く時まで渡せません。
ふたりは一番年上で中学6年生(日本で言うと高校1年生)
バンドのリーダー的存在。
ほのかな色気が漂う。
彼女は何があってもいつもニコニコ一番おとなしい子だった。
キーボードはふたりいたのに忘れていて、
彼女は初日に自分にだけ譜面が渡されないと嘆き悲しみ、
決心して直訴に来てワシは初めて知った。
もうひとりのキーボードの子は
ミストーンとかするといつも「何でこんなことが弾けないんだろう」と悔しがり、
「ごめんなさい、叱らないで」と言う顔でワシを見る。
「先生は首領様じゃないから怒らないよ。ロックは楽しくやろっ!」
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