2013/03/01
北朝鮮のタブレット分析(序章)
北朝鮮製のタブレットの話題はネットでも検索することが出来る。
しかしワシがGETしたこの機種は明らかに最新機種であろう。
何故なら・・・
アンテナがついておるーーー!!!!!!!!
いや〜ケースでこれだけ興奮するのだからケースを開けるとショック死するかも知れん(笑)
しかし何故にアンテナ?????
ワンセグ等でテレビが見れるとしたら、
それは北朝鮮人民は外国のメディアを見てはいけないわけだから朝鮮中央テレビにチャンネルが固定されてることじゃろう。
ラジオだとしても同じくである。
つまり日本では何も役に立たん(笑)
しかしこれが実はワシの心を鷲掴みにするのである!!
役に立たんものほど美しいもなはない!!
ドキドキしながら箱を開けてみる。
箱はiPad等のように開ければ一番上部に実機が納められているが、
それは上げ底になっていてその中には備品等が入っている。
上げ底を開けてみると、またここでワシはツボにグサッと入ってしまう。
なんと電源ケーブルとUSBケーブルが別々に入っているではないか!!!
ここは笑うところか悩むところか判断に苦しむところである。
電源アダプターにUSB出力さえつければその部分のケーブルは必要なく、
つまりケーブルは1本でいいことになる。
物資の足りない北朝鮮でわざわざ同じようなモノを2本もつけて売る必要がどこにあるのか・・・
ふと思いついてワシは電源アダプターの裏を調べてみた。
やはりこれは中国製!!
日本のみなさんはここで「中国製のバッタもん」などと笑うかも知れないが、
北朝鮮の事情を知っていればこれは実はもの凄く「深い」事実である。
まずは自由経済ではない北朝鮮に基本的にバッタもんはない!!
誰でも勝手にバッタもんを作って売りさばいて金持ちになれる市場はこの国にはない。
モノを作る、販売するは全て国家が管理統制してやっているので、
基本的に中国と違って「バッタもん」という概念がまだ存在し得ないのである。
「ほな国家がバッタもん作ってんのとちゃうん」と反論するかも知れないが、
北朝鮮という国家の経済水準は、まだ中国からモノを並行輸入してそれを高く人民に売って利益を得ようというレベルには達してない。
つまりこれは「この部品だけを中国から並行輸入した」と考えるのが正しいのではないか。
中国でのパソコンの流通度を考えると、
日本でもそうだが今や電源アダプターにUSB出力があり、
それにUSBケーブルを差し込んで充電するのが主流である。
ゆえにもう既に古いタイプであるこのテのようなケーブルのついた電源アダプターは、中国ではもう市場がないので自国で生産するよりも輸入した方が安く手に入れられるからではないのか。
そしてもうひとつ付属しているUSBケーブルは、
逆に中国などでは需要が非常に多いのでこれも安く手に入れられる。
ゆえに自国でパワーサプライを生産するよりも、
こうして2セット同じようなモノを中国から輸入する方が安かったのではないか。
またもうひとつは、
付属品としてUSBケーブルをつけなければならないということは、
この国(主に平壌市民なのであろうが)には相当の数のパソコンが出回っているということである。
つまりこのタブレットを購入する人は、
そのほとんどがパソコンを持っているということなのである!!(凄)
以上の点はこのレポートを見た経済学者が国防のために真剣に分析してもらいたいところであるが、
専門家でなくてもこの事実を見て、
世界中から経済制裁されているはずの北朝鮮に中国からどれだけの物資が流れているかは想像に難くないだろう・・・
さて、備品だけでこれだけ楽しめるのである。
本体のスイッチを入れたら悶え死んでしまうやもわからないので、
とりあえず外観を楽しむことにする。
一番問題なのはケースの写真にある「アンテナ」である。
「アンテナなどどこにもないやないかい!!」
と探していたら、老眼なのでよく見えなかっただけでこのようなくぼみを発見!!
これだけわからなく作るのも実は難しいのではないか?(笑)
いや冗談はさておき、この国の科学力をナメてかかるのも早計である。
何せこの国はお隣韓国でさえまだ成し得てない人工衛星打ち上げに成功しているのだ。
人工衛星のボディーの曲線を作る技術を応用したらこのぐらいのことは朝キムチ前であろう・・・
というわけでこれを引っ張り出してみたら見事にアンテナが出現!!
あとは電源を入れるだけである。
一番興味があるのはOSである。
ワシは中国でもバッタもんのタブレットを入手したが、
このOSはAndroidだった。
まあ分かり易く言うと、スマホをそのまま数倍の大きさに引き延ばしたタブレットなので、基本的に解像度が低くて使いもんにならん!!(笑)
自由経済の中国で、金のためなら何でもするバッタもん業者が、
Androidをそのまま使ってバッタもんタブレットを作るならわかるが、
国家が管理製造する北朝鮮ではちょっとそれは考えにくい。
何せこの国は人工衛星を打ち上げて軌道に乗せる科学力を既に持っているのだ。
そこで引っかかることが、
今回案内人とパソコン関係の会話をした時に「ソフト」のことを「ソース」と訳したことだ。
「Source」・・・つまりプログラム言語のこと・・・
ということはこちらではソースを書き換えてプログラムをユーザーが開発出来る環境があるということだ。
とするとMacのようにそのプログラムソースを公開していないOSではなく、
Linuxのようにソースを公開しているOSだということになる。
よくよく考えてみると、
人民がインターネットに接続出来ない国で、Windowsだの有りもののOSはその機能の半分以上は役に立たないのだ。
とするとソースを自由に書き換えられるAndroidかLinux・・・もしくは人工衛星を軌道に乗せる科学力を駆使して自国独自のOSを既に開発しているのか?・・・
いかん!!!もう電源を入れる前に既に悶え死んでしまった〜!!!
電源入れずに蓋をして週刊アスキーの編集者が帰国するのを待つとするか・・・
to be continued
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