2012/07/08
全中国ドラムクリニックツアー2012年 山東省「済南」
前回来た時にはホテルにイヤホンを忘れて大変だったが、
どうもこの街は大変なことが起こるらしい・・・
まず、渡された切符で駅に降り立ったら誰も迎えに来ていない・・・
担当者のShaは前日から来ているはずなので電話を入れてみるが・・・
・・・出ない。
だいたい前日から来るということは飲んでるわけだからきっと酔い潰れているのだろう・・・
まあ会場さえわかれば自力でタクシーででも向かうことが出来る。
本人もワシが中国語を喋れるのだからと安心して酔い潰れているのだろう。
ところがワシは今日どこで演るのか会場の場所も知らないので、
タクシーを拾おうにも行き先を告げられないのである(> <)
途方に暮れて待つこと十数分ほど、
地元の人がやっと迎えに来て車に乗る。
そしてそこで初めて知らされるのである。
「今日はないよ。明日になったから」
と・・・
夕べの最終便で北京にやって来て、
滞在時間8時間、朝6時起きで北京南駅まで向かい、
ひとりなので寝過ごさないように、
眠気眼をこすりながらやっとこの時間に着いているのは何のためだったのだろう・・・
とりあえずはこの日はパール倶楽部の慰問して酒飲んで寝る。
そして翌日朝に会場入り、ここで初めて聞くこととなるのである。
「今回のステージは3人のドラマーでやるのだ」
と・・・
「一人はお前が審査員したドラマーズチャンピオンシップで2位を取ったドラマーだから覚えてるだろ」
と言うが、そんな4年も前のことを覚えているはずがない・・・
まあ誰と一緒にやろうがやることは一緒である。
先に来ている彼らに続いて(同時に)セッティングを始める。
去年最後のツアーで車上荒らしにあい、
パスポートを始め、機材も全部盗まれてしまったので、
今回からはMboxProを使ってProtoolで音源を走らせる。
しかしセッティングを始めて大きな問題に気がついた。
変圧器がない!!
このMboxは日本仕様で電圧が100Vなのだ・・・
「変圧器買って来て〜」
地元の人にそう頼む。
昔だと変圧器ひとつ探すのに一日がかりだったけど、
モノが溢れている今の中国だと簡単にゲット出来る。
地元の人が買って来てくれた変圧器にMboxをつなぐ。
ボっ・・・とイヤな音がして電源アダプターが火を噴いた・・・
その辺じゅうにイヤな臭いが充満する・・・
ワシはその変圧器を見た。
「何やこれ!!100Vを220Vに変換する変圧器やん!!」
つまり500V近い電圧がMboxに流れたわけね・・・(涙)
一瞬身体中の力が抜けたが、へこたれてはいけない。
とりあえずドラム部分をセッティングしながら考える・・・
客はもう入場して来ている。
客の前でセッティングをして、
公開サウンドチェックをするぐらいのことはもう慣れ切っている。
問題はサウンドチェックをするにもそのサウンドを出す機材がないことである。
ワシは考えた。
いろんな場合を想定していろんなバックアップは取ってあるはずだ。
この国では何が起こっても不思議ではないのだから。
パソコンの中から
「DrumClinic2MixDATA」というフォルダを見つける。
確かこれは全ての曲を
「L側にクリック、R側にオケ」
という形式で保存しているのだ。
これを使ってオケを流せば演奏は出来る!!
この国ではどんなことがあっても不思議ではない。
何が起こっても人のせいにしてはいけない。
全てのことに想定して対処してない自分がいけないのである。
司会者が出て来ていつの間にやらずるずると本番が始まる。
客はもう入ってしまっているのでサウンドチェックが終わればすぐに始まれるのである(笑)
毎度の如く地元のちびっ子ドラマーの演奏が披露されるが、
今回面白かったのはこの少女!!
椅子に座ってと言うよりは立ってツーバスを踏む少女!!
まあそんなこんながあって2人の若いドラマーとワシとのステージが始まるのであるが、
「ひょっとして今回のツアーはこの3人で廻るの?」
という疑問は一笑に伏される。
「見ればわかるだろ」
ってなもんである。
明日は「枣庄」、明後日は「临沂」、
そして最終日の「烟台」は中止になったと今初めて聞くこととなる。
これが中国!!これでいいのである!!(苦笑)
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)