2021/07/24
全中国ひとりドラムツアー2021年山西省「大同」
この仕事はこの一本のメールから始まった・・・
相変わらずこれが誰なのかさっぱり覚えとらん(笑)
まあ誰からもらったって仕事は仕事なのでそのままとんとん拍子に仕事が決まって当日!!
指定された飛行機の飛び乗って、初の大同入り〜
例によって初対面の人の迎えの車に乗って、とりあえず会場入り〜
ポスターを見るにこれはドラムバトルかなんかのゲストなのね(笑)(相変わらず着くまで詳細がわからん(>_<))
活動(HuoDong)は明日の午前中らしいので、今時間があるならとチューニングとセッティング〜
DWもあったけど、ヘッドがこちらの方が良かったのでTAMAを選ばせて頂いた〜
TAMAと言えばこんな思い出がある・・・
まだ爆風スランプがデビュー前の頃、何とかドラムのモニターにさせてもらえないかとTAMAに電話をしてお願いしたことがある。
その日は名古屋でライブだったので、
「何とかライブを見に来てもらえませんか」
と電話したら、担当者は、
「あんたねぇ、ひとりモニターを契約すると会社がいくら金がかかると思ってんの?」
と鼻であしらわれた(>_<)
まあ担当者も一生懸命仕事をしただけなのだろうから今となっては笑い話だが、そんなこともあってTAMAのドラムセットは私にとってはイメージが悪い(笑)
中国語で「他妈的(タマーダ)」という貶し言葉があり、ライブハウスなんかだと
「今日はTAMA的鼓(TAMAダグー)ね、他妈的(タマーダ)」
などと冗談を言ったりするが、まさか人様の仕事で呼ばれて初対面でそんなことを言うわけにはいかない(笑)
一生懸命チューニングさせて頂いた・・・
ここから徐々に状況がわかって来るのだが、どうやらこの会場に生徒が入って90分クリニックをやって頂きたい、と。
生徒は200人近くいるので、2回に分けて2セットやって欲しい、と。
いつもは10人から20人ぐらいの生徒にクリニックするので、許魏の「蓝莲花」という曲を題材にして、初心者用に8ビートのドラムの叩き方を大体60分で解説する。
その時には順繰りに生徒をステージに上げて叩かせるのだが、100人近くいるならそれも出来ない(>_<)
またひとりひとりに練習台があるわけではないので、基礎練習とかを中心に教えるわけにもいかない・・・
「多くの曲を演奏してくれればいいんです。みんなFunkyさんのドラムを聞きに来ますから・・・」
って、そしたら毎度の「ひとりドラムショー」を90分のフルでやればいいのか?・・・うーむ・・・初めての状況なのでちょっと考えよう・・・
メシ!!
会場であるホテルのレストランのVIPルームに連れて行かれたのだが・・・ナニこのテーブル!(◎_◎;)
こんな大きな円卓では真ん中の方は箸が届かないので花を飾ったり色々してるのは見たことがあるが、この大同の城壁の街を再現した模型というのは初めてである!(◎_◎;)
食事が始まる・・・料理を全部いっぺんに撮るのは難しいので、ひとつひとつこの模型をバックに撮ったらなかなか面白いぞ・・・
ポートレートモードで後をぼやかせてみる・・・(笑)
かくしてこの日は終了〜
翌日は8時半からという異例の早朝ドラム!!(笑)
ところがバンダナを忘れたことが発覚して、地元で何とか入手してもらったら・・・
青年共産党員とか子供とかがよく首に巻いてる赤い布?・・・
このドラム学校のTシャツもお借りしてカラフルなコーディネートになりました〜(笑)
お客さん・・・いや生徒さんが集まって来る・・・
ここで私が考えたメニューが、
1、Vision Rocks
これやな
これは内容を説明してるとそれだけで終わってしまうので、挨拶がわりに演奏するだけで、「まずドラムの基本」ということから入って8ビートの説明をして次のこの曲!!
2、許魏「蓝莲花」
これやな
このライブ版だけでなくオリジナルも私が叩いているので、その本人から直々にこのゴーストノートやら色々説明して、挙手制で数人に叩かせる・・・
3、ムルンピョ
これやな
この映像は実際に北朝鮮の少女が叩いたものだが、ゴーストノートを強く叩くとこんなリズムになるという説明をして、私自身が叩く・・・
4、X.Y.Z.→A「Spreading Your Fire」
それではテンポを速くしてハイハットを4分音符で叩いてみましょう〜・・・と挙手制で生徒をステージに上げて叩かせる・・・
「では62歳のヘビーメタルをお楽しみあれ」
はいつどこで言ってもウケるなぁ〜・・・
ここにいない二井原さんは今日も絶叫しています〜
(X.Y.Z.→Aの曲はこちらからダウンロード販売出来ます)
先程のツーバスの説明をしてから、別のツーバスの踏み方ということでこの曲!!
ここにいない橘高さんも弾きまくってます〜(笑)
(X.Y.Z.→Aの曲はこちらからダウンロード販売出来ます)
6、布衣「我爱你亲爱的姑娘」
これですな
まあオリジナルは私が叩いてるのではありませんが、作曲して一応大ヒットしたということで〜
これは簡単な6/8なので生徒も挙手制でステージに上げて叩かせる〜・・・
7、汪峰「存在」
これですな
ええ曲やなぁ〜(涙)
私が叩いてるんですが、カンボジアの箱バンがこの曲を演奏してたのにはびっくりしたなぁ!(◎_◎;)
思わずドラマーに「ワシが叩いとんねん!!」と言いそうになった(笑)
同じ6/8でも裏拍やゴーストノートを多用した別のリズムですな。
一応挙手制で叩かせたりもした。
8、7th Door To Heaven
もう教えるのもこのぐらいでええやろ〜とばかり生徒を置いてけぼりにすること覚悟で7拍子〜
(この曲のオリジナルバージョンはこちらで、Jazzトリオバージョンはこちらで購入出来ます)
そして最後に定番のラテン〜
9、炎の靴
これやな
(この曲のオリジナルバージョンはこちらで、Jazzトリオバージョンはこちらで購入出来ます)
もうね、ここまでやったらへとへと(涙)
そしたら10分の休憩を経て同じことをまた90分と!(◎_◎;)
もうね、この状態で振り出しのVision Rocks叩いたん初めてやったわ〜・・・
まあ兎にも角にもこれで終了!!
サイン会をしてから会場を後にする・・・
昼飯には絶対に刀削麺を勧められていたので連れて行かれたのが・・・
なんと高級な!(◎_◎;)
普通麺を食うとこってもっと路地裏の小さな店とかちゃうん・・・
中では職人さんが黙々と麺を削って湯の中に飛ばしてます〜
ビールを飲みながら茹で上がるのを待つのだが、あまり見たことのないビール・・・
勧められてこの辺しかないと言われている沙棘汁・・・いや、全く好みじゃないし(涙)
麺は豪華!!
モチモチしてて美味しい〜麺湯という麺を茹でたお湯、いわゆる蕎麦湯みたいなのが出てくるのだけれどもそれも美味しかった〜・・・そば湯ならぬ麺湯!!
さて今日までに次の街まで移動せねばということで空港へ向かうのだが、途中でこのドラム教室に寄ろうということになり、表敬訪問〜・・・
TAMAのドラムセットが多いしいっぱい売ってんのな〜・・・と思ったらここTAMAと契約してるドラム教室やったん?!(◎_◎;)
ええ〜・・・それ困るなぁ・・・というのも、実は同じ街でのこの仕事・・・結局断っちゃったのよねぇ・・・
Pearlドラムのモニターである私が、珍珠俱乐部の仕事を断ってTAMAの仕事だけをするってのはどうなん?・・・
いや、PearlのモニターだからTAMAの仕事をやらんというわけではない。
こんな話がある。
その昔、YAMAHAの関連会社に所属するクリスタルキングのドラムをやってたことから、YAMAHAドラムのモニターをお願いしたが断られたという経緯がある。
そのこと自体は「商売」なのだからよい。
ところが爆風が売れたら、河合がモニターをやってた関係からYAMAHAの担当者が練習スタジオにやって来た時こう言った。
「末吉くんももうぼちぼちYAMAHAのモニターに乗り換えたらどう?待遇よくするよ?」
当時はPearlからYAMAHAに乗り換えるモニターが続出していて、ハウンドドッグのブッチャーさんからも、
「お前まだPearlのモニターやっとるんか?YAMAHAにせい!!待遇が全然違うぞ」
と言われたことがある。
しかし私はこの言葉にちょっとカチンと来た。
「お前らは売れない頃には足げに扱って、売れたらころっと態度を変えるのか!!Pearlは全く売れてない爆風の"将来性"を見てモニターにしてくれた。俺は死ぬまでPearlのモニターじゃ!!」
まあYAMAHAのような大会社は担当者もコロコロ変わるので、この担当者は担当者で自分の職務を一生懸命頑張る「いい社員」なのであるからよかろう・・・
まあYAMAHAもTAMAも「モニター」と言われるとはっきりとお断りするが、別に「敵対視」しているわけではない。
以前中国でYAMAHAのエレクトーンのコンテストの審査員として呼ばれたことがある。
「中国でバンドコンテストやりたいんですけどねぇ〜」
YAMAHAの「EAST WEST」というコンテスト出身である私は大賛成である。
「では商品のひとつとして、うちのスタジオで1曲レコーディングしてあげるというのはどうですか?」
という話で盛り上がっていた。
YAMAHAだPearlだとか関係ない!!要は一緒に「中国ロック」を盛り上げましょう!!
という話である・・・
ところがその後、その人が悲しそうにこう言った。
「上司が大反対したんです。ファンキー末吉と言ったらPearlのモニターじゃないか!!どうして我が社が敵と一緒にビジネスをせねばならんのだ?!!って・・・」
いや、この上司も一生懸命「仕事」をしている「いい社員」である。
でも私はそんなこんなで日本の会社には色んな「失望」をして「反面教師」にしているので、今回も「TAMAの教室だからドラムを叩かない」という考えはない。
要は一生の御恩があるPearlの仕事を断ってTAMAの仕事をやっていることである。
まあスケジュールの問題なのでこの仕事を復活することは出来ないが、今度ヒマがあったらまた大同に遊びに来て、ギャラ要らないのでドラムでも叩いて写真撮って、「Funky末吉ここに来たる」という事実を作っとこうかな・・・しゃーないなぁ〜・・・(笑)
そんな大同でのひとりドラムであった・・・