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2013/05/27

中国のオーディション番組に出演する日本人歌手

中国ではオーディション番組が花盛りである。
生バンドで伴奏する番組が多く、
優秀なミュージシャンが全部それらに駆り出されてしまっているので仕事にならないほどである。

かく言うワシも、先日とあるミュージシャン仲間から誘われた。
「6月から1クール頼むからドラム叩いてもらえないか・・・」

もちろん断った。
スケジュール的に絶対に不可能なのだ・・・(涙)

火曜日に生放送、
そのためには月曜日にゲネプロ、
週末までには全曲リハーサルをすませ、
参加者達全員にそのオケを送っておかねばならない。

生放送が終わったらすぐに次の週のを準備・・・
それが3ヶ月延々に続くのだ!!(恐)

この時に言った彼の言葉
「ファンキー、頼むよ〜・・・ギャラも結構出るんだよ〜」
というのをみなさんとりあえずここで覚えていて欲しい。


さて数あるオーディション番組にの中で一番有名なのが冲刺好声音という番組だという。
なんとテレビ番組ではない。ネット番組なのである!!(驚)

「なーんだネットTVか・・・」
などとナメてはいけない。

日本のように数局だけがしのぎを削っている小国ではない。
中国のテレビ局は400以上もあり、
今やそのチャンネルのどこを選ぶかというより、
それだったらということでみんなネットTVを見るのだ。

視聴率が集まれば当然ながらスポンサーが集まる。
スポンサーが集まれば金が集まるので制作費が潤う。

このネットTVは
「テレビのクオリティーに負けてたまるか!!」
をスローガンに何と一本の制作費に200万元、
つまり日本円で2400万円かけて製作するのだ!!(驚)

今日本で1本に2400万かけて作る歌番組ってある?(笑)

だからこそバンドにもちゃんとギャラが支払われる。
「ファンキー、頼むよ〜・・・ギャラも結構出るんだよ〜」
という言葉はここに起因するのである。


さてこのお化けネットTV冲刺好声音
今期の音楽プロデュースは峦树が請け負ったおかげでワシの周りのミュージシャンは全てこれに駆り出されている

もちろんこのバンドからも「ドラム叩いてよ〜」と声がかかる。

いや〜お前ら、実はドラムが目的じゃないじゃろ・・・
2人のキーボーディストが毎回曲を分担してアレンジをし、
譜面を書いてプログラムが必要なら打ち込んで・・・
それを毎週毎週延々に繰り返す・・・

ワシが参加すればアレンジも出来るし譜面も書けるし打ち込みも出来るし・・・
便利やから使いたいんやろ〜〜〜〜(笑)

日本のスケジュールは数ヶ月前には決まってしまってるからな〜
いきなり言われて3ヶ月間ずーっとベタで仕事はやれんよ〜〜〜(笑)


話変わって、
ワシはワシで(6月はお休みするが)毎月北京で自分のライブをやることにして、
今月も21日に行ったのだが、
この番組のおかげでデブのキーボード張張(ZhangZhang)が忙殺されていて、
毎回毎回来れるやら来れないやらがわからない。

今回も「来れるか?」と電話をしたらちょうどゲネプロ中で、
それが終わったら折り返しすぐに電話がかかって来た。

「番組で出演者を探してるんだ。
前回お前のライブで歌った日本人歌手ってこの番組に出ること可能か?」


その日本人歌手というのは宮脇詩音
Live Bar X.Y.Z.→Aのオーナーでもある上海のKさんの店を手伝いながら中国語の勉強をしている。

言っておくが、中国のオーディション番組はケタ外れなのである。

ワシが昔プロデュースした艾梦萌(Ai MengMeng)という歌手は、
そのオーディション番組の走りであるお化け番組に出て今では有名歌手の仲間入りをした。
(その物語はこちら

現在1回の番組制作費に200万元使って作られているお化け番組に、
どんな手を使ったって出演さえ出来れば、それだけでもう中国じゅうに顔が知れる有名人の仲間入りとなるのだ。

当然ながら厳しい予選を勝ち抜いて来た人ばかりである。
アーカイブを見ると「これがアマチュアか?」という歌手ばかりである。

ワシの想像だが、
きっとこのような「プロ裸足」の歌手たちはいろんな中国のオーディション番組を掛け持ちしているので、このように大事な時に参加者が不足して来たのだと思う。

昔ワシが演奏したオーディション番組でもそうだった。
せっかく勝ち残った歌手が突然次の回からは出演しなくなったりするのだ。

理由は「プロダクションが決まったからもう出演しなくていい」というのから、
「他のオーディション番組でもっといい成績だからそっちに行く」とかいろいろである。

全くもってこれが中国、プロ裸足はこんなところでもプロが裸足で逃げてゆく商魂たくましさである。

厳しい予選をすっ飛ばして途中から参加出来るだけ無茶ラッキー!!
「これは出るべきやで〜」


彼女は中国語がまだまだ喋れないのでマネージャー代わりをしていたKさんから夕べ連絡が来た。
「プロデューサーから連絡がありました!!出られるそうです!!」

彼女はKさんにとって友人の娘なので「親代わり」のようなものだが、
「親」ってやっぱ大変である。

「すぐに北京来て、1週間滞在して、火曜日には生放送の本番なんですが・・・
それに付き添う通訳がいないんです・・・」

自分が行けないからワシに行ってくれと言うのじゃが・・・無理!!!(笑)

かくして北京じゅうの中国語喋れる日本人を探したが、
みんな当然ながらそんなにヒマではない。

そう言えば深センに引っ越して自分で会社起こした男がいたのう・・・
奥野竜太郎・・・後は頼んだぞ!!どろん!!


ps.張張(ZhangZhang)からメールが来た。
「聞いたか?計画は成功したな。じゃあお前のあの曲の譜面を送ってくれ」

・・・お前ひょっとして・・・自分の仕事を1曲ぶん楽するために彼女をねじ込んだ?・・・

勝ち抜いたら次の曲もワシが譜面を書け、と?・・・
勝ち抜き続けてる間じゅうずっと?・・・無償で?・・・ギャフン(>_<)・・・

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