2012/08/23
全中国ドラムクリニックツアー2012年 貴州省「遵义」
朝の5時起きで列車で4時間半かけて「遵义(Zun Yi)」へ向かう。
だいたい昨日が貴陽で一日オフなんだったら、
移動日にして前乗りしてれば楽だったのに、
そうはいかないのが「中国」である(−_−;)
この辺りはまだ新幹線が通っておらず、
こんなローカル線に乗るのは実に十数年ぶりである。
ローカル列車には「硬座(Ying Zuo)」と「软座(Ruan Zuo)」があり、
まあいい方の「软座(Ruan Zuo)」を取ってくれてはいたものの、
久しぶりに乗ったらこの直角の椅子がどうも座り辛い。
よくこれで十数時間乗って青島とか行ってもんだと我ながら感心する。
見事なド山の中を走るので3Gもつながらず、やることもなく
もう腰がギブアップする頃やっと「遵义(Zun Yi)」に着いた。
さぞかし田舎だろうと思ってたらびっくりするほど大都会だった。
聞けば貴州省第二の都市らしい。
そしてここは革命の発祥地、
毛沢東率いる共産軍は、
ここから全中国に進軍して中華人民共和国を建国した。
進軍って・・・飛行機もない時代に、
列車でワシが腰を言わすぐらいの距離の貴陽のみならず、
2時間半かけて飛行機で飛んで来た北京のみならず、
ワシが廻ったあの北の方から南の方から、
全部徒歩で進軍したんか?!!!
毛沢東・・・凄いのう・・・
はてさて、今日は「乗り打ち」ということでさっそく会場にセッティングしに行く。
地元の図書館の横にある小ホール、キャパ300人といったところか。
これぐらいが「ひとりドラム」にはちょうどいい。
今日のドラムセットはバスドラにホルダーをつけるタイプではないのでこのようにセッティングした。
中国のドラムセットはタムが小さいのが多く、
通常セッティングだとつい正面にある10タムをメインに叩くことになる。
ヘタしたらスネアよりチューニングが高く、
「タットンタカトン」とか「ドバラドン」とかの常用フレーズがどうも気持ち悪く聞こえるからだ。
はてさて、ホテルに帰って休憩してから本番!!
会場はホテルのまん前なので楽である。
いつものように司会者が出て来ていろいろ説明するのだが、
他の地方では国営放送のアナウンサーのような人が出て来るのだが、
ここだけは何と若くて美人がやって来た!!
Twitterにこの写真をUPしたら、
「足が綺麗なのはわかるが顔がわからん」
とクレームが来たので、
舞台から降りて来た司会者を待ち受けて写真を撮ってもらう。
TwitterにUPしたら今度は
「ファンキーさんは要らんから彼女のだけ希望!!」
と言われ、
「すんません!!日本の微博(WeiBo)にUPしたら人気沸騰なんで」
と言って撮らせてもらった。
まるでストーカーである・・・(恥)
さて本番である。
客の熱気が凄まじい。
聞けばこの街で打楽器の本格的な演奏会が開かれるのは初めてらしい。
1曲目は今年のツアーから「Vision Rocks」で始まることにしている。
以前では一番最後に持って来てたのだが、
イントロが無駄に(笑)長いということから、
PAからちゃんと音が出てるかのチェックだとか、
音を流してからイヤホンをつけたり、何かと便利であるからである。
7拍子から始まり5拍子、Swing、サンバ、メタル、シャッフルと目まぐるしくリズムを換える8分を超える難解な曲ではあるが、
終わった途端に割れんばかりの拍手が来た。
マイクをもらって挨拶をし、決めゼリフ
「私は今年で53歳になります」
を言った途端にまたどよめきと拍手。
「これは掴んだな」
とばかり、
「それでは53歳の重金属ロックをお聞きください」
でX.Y.Z.→Aの「Spreading of fire」を演ったらもう大歓声!!
いつものようにハーハー息切れしながら
「全くロックは命がけです」
で大爆笑!!
続けての決めゼリフ、
「ここのPerl倶楽部には子供の生徒は多いがお年寄りはいないらしい。
健康のためにお年寄りもドラムを叩きましょう」
でも大きなウケを取り、
これまでにない大盛り上がりでコンサートは幕を閉じた。
心残りは「邪心」である。
ステージ袖で見ている司会のお姉ちゃんを意識して、
「ええかっこ見せたろう」と思うのか、
そう思った瞬間にミストーン連発!!
まあ聞いてる人は分からないように誤魔化すのだが、
自分としては非常に残念である。
「お姉ちゃんにええかっこ見せて何とかなるとでも思ってんのかい!!」
自分で自分を殴って戒める。
まったくもって何年ドラムを叩いててもまだまだじゃわい!!
ドラムを叩く練習よりも精神修養の方が大事じゃ!!
もっと精進せい!!!
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)