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2012/08/08

全中国ドラムクリニックツアー2012年 河南省「重渡沟」

朝9時半に北京西駅で待ち合わせて洛陽に行く。
例によってそれだけが私に知らされている情報である。

前回は夜行列車で行って、
ドラム叩いて終わったらまた夜行列車に飛び乗って帰った。

滞在時間最短記録10時間!!

今回は前日入りで翌日戻りのたっぷりスケジュールである・・・
・・・と思ったら実は大変な過密スケジュールであったのだが・・・


洛陽への昼間移動は初めてなのであるが、
それが新幹線でも思いの外時間がかかった。

朝の10時に出発して夕方の5時着。
地図で見たらこんなに近いのに中国はやっぱ広いのう・・・

LuoYangMap.jpg

「明日は6時半出発ですから今日は早く寝て下さい」

その時になって初めて知らされる。
明日のコンサートは洛陽ではなく「重渡沟」というところなのだということを。


大きな地図で見る

車にゆられること4時間、
「重渡溝自然景勝区」というぐらいだから山奥の大自然の中である。
観光地として開発されているその一角にステージがあった。

Vision2012ChongDuGouStage.JPG

これが「避暑地」というのに暑い・・・
汗だくでセッティング・・・

そして垂れ幕が出て来て初めて知る、
これは洛陽と新郷合同の子供達の夏合宿であるのだ、と。

Vision2012ChongDuGouPoster.JPG

「国際」とついておるが、中国人でないのは実はワシだけである(笑)

まあいい、どこに行ってもやることはひとつ。
ドラムを叩くだけのことである。

ワシは前回の済南でプロトゥールスが燃えて
今回はその修理が間に合わなかったということで、
iPadで伴奏を流そうということにしていた。

前回はサブミキサー含むPA機材が同行していたのでいいが、
今回からは「iRiffPort」を使って音を出すシステムを作り上げた。

これはもともとiPadにギターなどをつないで演奏するケーブルなのだが、
使いようによってはこれだけでライン出力とイヤホン出力と両方出せる。

ということはこれさえあればサブミキサーが要らないということである!!

iPadとこのケーブルとイヤホンだけを持って行けばそれで足りるとは旅が格段と楽になるというものではないか・・・

その代わり、システム上モノラル出力しか出せない。
橘高が命をかけてダビングして左右に振っているギターなどはステレオで出さないともったいないのであるが・・・

と思いつつ、ふと見ると担当者のShaがいそいそとセッティングを始める。
何か新しいシステムを持って来たようだ。

Vision2012ShaNewSystem.JPG

見れば8chのミキサー、
それをパソコンにつないで、
そのパソコンをiPadで遠隔操作出来るというもの・・・

ドラムの横にそれを置いて、
ドラムのマイクとオケの音をそこに入力して、
最終的にPA卓には2chにミックスした音を送るというもの・・・

おいおい、システム自体は素晴らしいんじゃが、
それを操作するのはお前か?・・・

もともと中国というのは「他の人を信じてはいけない」と私は思って仕事をしている。

モニターとかを一切信用しないから、
ワシはクリックもオケも全部自分だけで聞けるようにシステムを構築しているのだ。

数学的に考えてみよう。

PAエンジニアが成功する確率を2分の1だとしよう。
そこに2chのデータを送るshaが成功する確率を2分の1だとしよう。

そうすると全体的に成功する確率は
(2分の1)×(2分の1)=4分の1になってしまう。

これが10分の1だとして計算すると、
何とちゃんと音が出る確率は100回に1回なのよ〜!!!

まあいい、彼の現場である。彼に任せよう・・・

ドラマーというのはしょせん自分の音を客席で生で聞くことは一生出来ないのだ。
Shaが「いい音」だというのが「いい音」だということである。

外音はどうかわからんが、
プレイはワシなりにベストなドラムが叩けたと思う。

打ち上げ!!

Vision2012ChongDuGou.JPG

この辺の名物は「竹」。
そりゃそうだ、一面が竹林なのである。

竹の子料理をつまみながら竹筒酒を飲む。

ふと考える。
来る時は一泊してドアtoドアで30時間ほどかかっている。

今から30時間後には北京空港から日本に帰らねばならんぞ・・・
帰れるのか?・・・

ま、いいか・・・

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