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2008/06/03

全中国ドラムクリニックツアーその2、東北地方吉林省「吉林」

吉林省には一度行ったことがある。
90年の大晦日だったか、友人達と北京から列車に揺られて、
確か27時間かけて着いた街はマイナス25度の北朝鮮との国境の街だった。

看板はハングルが多く、
韓国とかではとっくになくなってしまった朝鮮族独自の文化が、
そのままで残っているようなそんな街だった。

だからワシは吉林に降り立った時、
真っ先にハングル文字を探したのだが見当たらない。
よくよく考えてみたら、
ワシがあの時行った街は吉林ではなく延吉朝鮮族自治区であった。


いやーでも楽しかったなぁ・・・
朝鮮族と朝鮮料理食って毎晩飲んで、
あげくの果てには凍った豆満江を徒歩で渡って北朝鮮領土と思われるところで記念撮影した。

朝鮮族クラブで酔っ払ってドラム叩いて、
ホテル帰ったら新年で、
東京の家にお袋が来てるから電話かけたらKちゃん
(参照:Kちゃんの物語その1その2
が電話に出たなぁ・・・

今考えてみたら恐ろしや恐ろしや・・・


さて吉林はそんな思い出深い延吉ではなかった。
吉林省の省都、松花江が流れる水の街。
朝鮮族自治区でもなく、ハングル文字の看板も少ない。
でも気持ちがそうなってしまってたので朝鮮料理をリクエストした。

お決まりの朝鮮冷麺

JiLinLengMian.jpg

北朝鮮式は酸っぱく、韓国式は甘辛いと言うが、
これはどちらかと言うと韓国式である。


そして朝鮮料理と言えば犬肉を忘れてはならない。
北京でも有名なここのご当地ビール、雪花と一緒に御馳走になる。

JiLinGouRou.jpg

犬好きの人、ごめんね。
まあお味はこれと言ったものでもないのじゃが・・・


さてこの日は翌日と同じ会場で
SABIAN主催のドラマーズチャンピオンシップが開催されていた。

JiLinDrumersChampionShip.jpg

ワシはSABIANの中国地区モニターでもある。
パールは日本地区のモニターでちょっと関係はややこしいが、
今回のツアーはSABIANのシンバルのプロモーションでもある。
翌日はこのコンテストの審査発表があって、
ワシの手から優勝者に賞状を手渡すと共に、
そのままクリニックが始まると言うよく出来た筋書きである。

コンテストが終わったらドラムをセッティングする。

JiLinDrumSetting.jpg

中国はでかい。
ひとつのドラムセットを移動するには限界があるので、
ふたつのドラムセットをそれぞれの現地に送っておく。

右隅に小さく写っている黒い服の少年が実はこのドラムセットを買いとった。
彼にとっては一生の宝物になるであろう。
敬意をこめて最高の音にチューニングさせて頂いた。

そしてその前に写っている白い服の少年は、
去年のこのコンテスト少年の部のグランプリである。

ここのレベルは前回の遼陽のレベルより数段高い。
ついでに彼にはマンツーマンでレッスンを施した。
夏休みにはビザが取れたらファンキースタジオに来ると言う。
歓迎歓迎!


さて、左下に写っている機材が、
今回のために八王子のHardOffで買った中古品のHDレコーダーである。

以前まではProtoolsシステムを持ち歩いていたが、
インターフェイスも含めるとこれがなかなか持ち歩くには重い。

菅沼孝三にはMDを勧められた。
「コンピュータはフリーズする、
CDは針飛びする、
一番安全なんがMDやで!」

と言うことでワシも今回はMDのLchにクリック、
Rchに音源と言うデータも用意した。
バックアップにそれをCDでも用意している。

でもそのシステムは簡単だし安全だが、
出力がどうしてもモノラルになってしまう。

データをMixdownしながら
「モノラルではやっぱもったいないなぁ・・・」
と思うことしきり。

中国ではもうネットでビデオもダウンロード出来る。
せっかくここまで作ったんだから、
やり手のマニアックなこだわりではあってもせめてステレオで出力したい。
と言うわけで購入したものである。


この曲もそうだが、
今回もパール倶楽部に置いてゆく今回クリニックで使う伴奏だが、
この少年たちは目を輝かせて、
大真面目にワシの手数を完全コピーするであろう。

・・・叩いた本人でさえ同じことはコピーしても叩けないのに・・・

光栄でもあるが、
ここ中国も北朝鮮と似ているところがあって少し恐ろしい。
この一連のツアーで彼のように天才少年と出会ったら、
このワシが責任持って正しくロックの道に導いてやりたいと思う。


さて本番も終わり、子供たちにサイン攻めにあう。

JiLinSign.jpg

このオッサン達は一体何枚ワシのポスターを印刷したと言うのだ!
次から次からポスターを持ってサインをねだる子供たちを見ながら思った。

「この子供たちが大きくなったら、
このポスターを、サインをみてどう思うのか?
私は、僕は、あのFunky末吉を生で見たんだよ」
と思うのか、もしくは
「あったなぁ・・・そんなこと・・・
誰やっけ・・・」
と思うのか。

もう50も手に届くワシの人生はそんなに長くない。
この子たちがいっぱしのロッカーに育っている頃に、
まだこうしてロックドラムを叩けていたとしたら、
それだけで十分幸せなのではないか・・・

そんなことを考えながら子供たちにサインをした。


そしてそんなポスターを山ほど刷ったオッサン達がこれである。

JiLinOssantachi.jpg

ここのパール倶楽部の人間もいれば、
吉林省打楽器協会のお偉いさんもいる。
その全てに共通しているのが、
「こいつらどれだけ飲むんや!!」
と言うことである。


いやー飲む飲む。
翌日は例によって夜汽車、
しかし昼飯は超素晴らしい所に連れて行ってくれると言う。

それがここ。
吉林の街を流れる松花江の上流、
日本軍が作ったダムで出来たと言う松花湖。

JiLinSongJiangHu.jpg

これが非常にきれいな水である。
吉林のビールも酒もこの水を使って出来ているから美味しいのだと言う。

その畔にもともと民家で友達を招待するために食事を出すと言うレストランがあると言う。
そこで午後2時から食事が始まった。

JiLinHuBianChiFan.jpg

特にこの大魚は何するもんぞ!
隣のこのこれだけ奇麗な湖で獲れた魚をそのまま料理する。
そのとてつもなく奇麗な水で作ったビールを飲む。
旨くないことがありえようはずはない!!

ワシはもともと2時から昼飯だったら夜9時40分の列車までどうすんのと思っていた。
心配ご無用!
ワシらは結局出発直前まで飲み、そして食っていたのであった。

吉林よいとこもいちどおいで。
この民家は秋には葡萄が生り、
それをちぎりながらハンモックで寝っ転がる。
今度は嫁子供を連れてそんな旅をしに来い、と。

アホなオッサン友達はそれを連呼するのであった。

全中国ドラムクリニックツアーはまだ続く!

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