
2020年10月11日
おじさん若い娘に服を買う
いや、日本から送ったコンテナの中から荷物がごっそり盗まれた状況で、そんなことやってる場合じゃないんやけど・・・
សូមផ្សព្វផ្សាយរឿងនេះផង !! មិត្តជាទីស្រឡាញ់នៅកម្ពុជា ...
末吉覚さんの投稿 2020年10月8日木曜日
まあこれはちょっと前の話・・・
タカシとか
「飲みに行きましょう」
と言うてもどうせワシが払うんやから
「安いところやないと行かんぞ!!」
とクギを刺しておく。
「それだったら安いバーを見つけたんでそこ行きましょう」
連れて行かれたのがリバーサイドからはちょっと外れた、場末の(失礼)ガールズバー・・・
そこには例によってとある貧乏な美人姉妹が働いていたのだが、
「あの店、なんか摘発が入って閉められちゃったそうですよ」
とタカシに言われて今回の話となる・・・
美人姉妹のお姉ちゃんの方はそのタイミングでは店にいなかったそうで助かったが、どうやら妹も、店にいた人全員警察に連れて行かれたらしい!(◎_◎;)
「そりゃ心配やなぁ〜」
お姉ちゃんにメッセ送る・・・
やり取りしてゆくうちにわかるのだが、それより大変なのは、その姉妹はその店の上に住んでたので、着の身着のままで帰るところもなければ金もなければ当然ながら仕事もない・・・!(◎_◎;)
タカシが
「じゃあオスカーで働きなよ」
と仕事を斡旋する・・・
ところが今度は店に出るにも着てゆく服がない・・・
しゃーないなぁ〜おじさんが服でも買ってあげよう!!(笑)
いや〜銀座のホステスとかを連れ出して服でも買ってあげるおじさん(知らんけど)に憧れてたのよねぇ〜
それが10ドル20ドルで実現するなら楽しいではないか!!
というわけでタカシが彼女を連れてやって来た。
まずは今日のまかないのヌードルを食べてもらう!!
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
そして近所にある庶民の市場、オールドマーケットに連れてゆく・・・
「何でも好きなの選びなさい!!」
おじさん内心「10ドル20ドルぐらいのんにしてね」と懐を慮ってハラハラ・・・
でも店に出るならドレスとまではいかんでもちょっとはええ服が必要やろ・・・
35ドル(>_<)
まあええわ、銀座で服買うたと思えばこれより数倍はするとこやったんやから・・・(知らんけど)
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
そしてタカシは次の店へと・・・
おいおい!!一着だけやで!金ないし・・・
と思ったら靴も買わないかんと・・・
そやわなぁ〜ドレスみたいな服にスニーカーいうわけにもいかんわのう・・・(>_<)
靴が13ドルでちょっと胸を撫で下ろす・・・
まあ庶民の市場オールドマーケットやからこのぐらいで済んだわけで、もしイオンとか名だたるショッピングモールやと倍はするやろ(知らんけど)
かくして「若い娘に服を買ってあげるおじさん」という夢は5000円ぐらいで叶ったわけで、まあ日本食を食いに行くのを一回二回我慢すればそれで済む・・・
と思ったら次なる問題が・・・
彼女は「住むところ」がないのである!(◎_◎;)
そやわなぁ〜と思ったらタカシが先頭に立って部屋探し!!
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
「探せばひと月70ドルぐらいの部屋がありますから」・・・ってワシその金は出せんぞ!!
って手持ちの金もないわけやからそうもいかん・・・
「貸すんやからな、出したるんやないからな!!」
タカシはこういう時には必ずちゃんと回収してくれるので安心である・・・
ってかうちの若い衆全員ワシに借金しとるやん!(>_<)
まあ子守とか家のこととか手伝ってもらってギャラの代わりにそこから金額をカットしてゆく・・・
って結局現金は返って来んわけね(笑)
まあ結局この日は部屋は見つからんかった・・・
翌日また探そうということで、まあ後でオスカーの初出勤の様子でも拝みに行って、
1.75ドルのビール飲んで、レディースドリンク3.75ドル奢ってあげたら彼女に1.5ドルとかのチップが入る・・・
まあ「ご祝儀」である・・・
と思ったら、タカシが「彼女、体調が悪いとかで帰りました」!(◎_◎;)
まあ「身体が弱い」みたいなことは言ってたので「さもありなん」とばかりその日は飲みに行かずに休肝日・・・
ところがそこからである。
翌日不可解なことが起こるのである・・・
「彼女、別のバーで働き始めましたよ」
聞けば、同じリバーサイドではあるものの結構場末のガールズバー!(◎_◎;)
「彼女、オスカーみたいな華やかな感じは何か合わないそうで・・・」
タカシも事情はあまりわかってないようだ・・・
「彼女のバー、今から行こうと思うんですけど一緒に行きますか?」
タカシもちょっと心配なのだろう・・・
まあ一緒に行ってみてすぐに退散した。
店が場末・・・っつうか何か居心地の悪い雰囲気であまり居たくなかったのもあるが、
彼女は私が買ってあげた服ではない別の服を来ていたのだ!(◎_◎;)
え?来てゆく服がない言うからなけなしの金で服買ってあげたんちゃうん?!!
前日のオスカーには着て行ったのであろうが、
翌日にはもう着替える服がある・・・
っつうことは別に今転がり込んでるであろう住処には服はあるのである(>_<)
「Bar Girlはウソつきますから」
翌日タカシも何やら機嫌が悪い・・・
聞けばその時に「20ドル貸してくれ」と頼まれたらしい・・・
何故ワシに言わん?!!
どうせタカシが貸したとしても、その金はどうせワシがタカシに貸すのだ(笑)
断ったら彼女、タカシに対して烈火の如く怒ったらしい・・・
「誰も私のこと助けてくれない(涙)」
いや、ワシは助ける言うてるし・・・
うちは賄いがあるのでいつでも腹が減ったら食いに来ていいし、
服も靴も(安いもんやけど)買ってあげたし、
初出勤に向けて美容院で髪の毛セットする金も出してあげた・・・
(5ドルやけど)
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
でも結局本当に金に困ったらうちには来ずにタカシんところに行く・・・
まあそうかも知れない。
ワシは所詮は外国人やし、
中国でもそうだったが、だから中国語を覚えて中国人には中国語で接するようにしている。
いつまでも英語で喋ってて、極端な話、通訳入れて会話しているようでは本当の意味でのコミュニケーションが出来るとは思わないからである。
あと、馴染みのきっぷのいいお姉ちゃんたちにこんなことを言われたこともある。
「あんた気をつけなさいよ。あんたは人が良すぎるからいつか騙されるわよ」
「いやいや、この人を騙すってちょっと勇気がいるわ、だっていい人過ぎるんだもん、かなり自分を落とさないと罪悪感にさいなまれちゃうでしょ」
Bar Girlだって「人間」だ。
同じ「金を巻き上げる」なら、身体目当てで寄って来るヒヒジジイの方が気が楽だけど、この人相手だとちょっと気が引ける・・・
てなこと言いながら結局はそこからも結構小銭を絞り取られているのだが・・・(笑)
それから数日経って、今日は週末で賄いがないので、若い衆連れてクメール料理を食いに行った。
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
そこには、華やかにレストランの一角を借り切って、バンドも入れて誕生日パーティーを開いているカンボジア人がいた。
末吉覚さんの投稿 2020年10月10日土曜日
「彼女、どうしてるかなぁ・・・」
突然そんな思いが湧き出して来た・・・
同じこの国に生まれて、
(ウソかも知れんが)その日に着てゆく服もない娘もいれば、
たかだか自分が生まれた日にを祝うためにその娘の年収ぐらいを一晩で使ってしまう娘もいる・・・
資本主義なんてそんなもの・・・
いや、社会主義の中国だってそうだったんだから
「世の中なんてそんなもの」なのかも知れない・・・
「彼女、またバーが変わったらしいですよ・・・」
タカシと一緒に行ってみた・・・
彼女はまだ出勤してなかったけど、そこは更に「場末」で、とてもじゃないがあまり長く居たくないような、そんなバーだった・・・
「場末」のバーは好きでよく行ったりする。
お姉ちゃん達が健気に頑張っているそんな「場末」のバーは結構好きなのであるが、
このバーはあかん(>_<)
何やら「汚い」と感じる何かがあるのだ・・・
いや別にゴミが落ちてるとかそんなではない。
お姉ちゃん達がスレてると言うか、何やら居心地の悪い何かがある。
お勘定して「安いですねぇ、ここ・・・」とタカシがびっくりするぐらい安い。
ビールが1ドルっつうたらオスカーの半額ぐらいである。
しかし客はいない・・・
値段の高い安いなんて所詮は持って帰る「満足度」の問題である。
1ドルだって高く感じる時もあるし、
日本レストランの5ドルのハイボールだって「安い」と思う時もある・・・
彼女は結局来なかった・・・
「お化粧してるからちょっと待っててね」
タカシに言ったその一言も「ウソ」だったのかも知れない・・・
「いつでも腹が減ったらうちにおいで!!金はないけどメシならいつでも食わせてやるぞ」
そう彼女に言ったは言ったのであるが、
彼女がうちの門を叩く日はきっと来ないと思う・・・
まあ仮に門を叩いたとしても、彼女を毎年誕生日を豪勢に祝えるような身分にしてあげることは出来ない。
手を差し伸べたって結局は何も大したことをやってあげられないのはわかっている。
でもその差し伸べた手を握り返してくれないと、本当に何もやってあげることは出来ない。
落ちてゆくのをただ眺めているしか出来ないのだ・・・
あの日買ってあげたあの服はどうしてるだろう・・・
売っ払ったってロクな金にはならないだろうから、
やっぱいつかはローテーションで袖を通すこともあるだろう。
その時にちょっとでいいから思い出してくれれば嬉しい。
たとえ、握り返すことはないとしても、あの日確かに手を差し伸べてくれた人はいたんだよ、ということを・・・
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