
2018年8月30日
全中国ひとりドラムツアー2018年湖北省「襄陽」
だいたいにしてどう読むのすらわからん(笑)
襄陽(Xiang1 Yang2)「シャンヤン」と読むらしい・・・
着いてみて初めてわかる、湖北省なんや・・・(笑)
例によって担当者のShaは来ないらしい・・・
また見知らぬ土地にひとりで放り込まれ、見知らぬ人と飲んで仕事をするのだ・・・(笑)
ドラムの活動のため襄阳(どこや?笑)に着いた〜どこかと思ったら湖北省なのね〜料理が辛い!\(^o^)/ 諸葛孔明が暮らしてたところで三国志の桃園の誓いもこの辺だとか・・・へ〜 - Spherical Image - RICOH THETA
地元の鄭老師の言うことにゃ、この街は三国志演戯の諸葛孔明が暮らしてたところで、あの有名な「三顧の礼」が行われたところらしい・・・
まあドラム叩くには全く関係ないけど・・・(笑)
この辺の名物は「牛雑麺」!!
イスラム族も多く、新鮮な牛を使って辛い辛いそれは辛いラーメンである・・・
地元の人は朝からこれに「黄酒(HuangJiu)」と呼ばれる度数の低い酒を飲むらしいが、そのまま午前にドラムクリニックやって午後には命がけでドラムを叩かねばならんのでこの日はご遠慮した。
さてドラム教室でクリニックやって会場へ行くのかと思ってたら、
クリニックも会場でやるらしい!(◎_◎;)
着いたら生徒たちはもう来ていて、ドラムセットも並べられているが、
細かいセッティングは生徒たちの目の前でやることとなる・・・
セッティングが終わり、伴奏データを流すべく、エンジニアの人に
「モノで出しますのでDIありますか?」
と聞くと、
「そんなものはない。使ったことない」
ふむふむ、まあそんなこともあるので、
「じゃあメスで出しますんで、長いギターシールドあったらそれをミキサー卓に突っ込んで下さい」
「そんなものはない。ミキサーの入力はキャノンしかないので無理」
!(◎_◎;)
まあ生徒達も待ってるので細かいことは置いといて、
とりあえずその辺に転がっていた拡声器に繋いで音出してドラムクリニック開始!!
無事に終わった後で、
「じゃあ今チューニングして本番のセッティング終わらせとけばそのまま本番まで動かしませんから」
ということになる。
ふむふむ、じゃあ・・・というわけでチューニング開始!!
この日のドラムセットは多点セットで、
チューニング終わりにマイクを立てようとしてたエンジニアが私にこう聞いて来る。
「Funkyさん、一番よく使うタムはどれですか?」
???・・・マイクが足りないからどれかのタムだけマイク立てて後は立てない???
・・・そんなことしたらまるで「サ行とハ行だけ音抜いて喋ってみぃ」みたいなもんで、何喋ってるか聞き取れないでしょ!!
このぐらいの小劇場だったら一番後ろまで生音で届かせるから、
マイクは取り敢えずバスドラひとつとオーバーヘッドだけでいいよ・・・
「そんなんじゃ細かいニュアンスまで拾えないでしょ」
えーい!!うるさい!!タムひとつだけ拾われるぐらいならこっちが全然マシなの!!
この頃からなんとなく「このエンジニアとはソリが悪いな」と思い始めてくる・・・
何やらちょっと「プライドが高い」のだ・・・
まあ共産主義の名残りで、こういうタイプの人はたくさん見て来たので気にしない。
まあ最悪は生音!!ドラムは叩いたら必ず音が出るのでいいが、
問題は伴奏データをどうやって出すか、である・・・
「キャノンしか入力がないんだったら、子供達の伴奏はどうやって出してるの?」
見れば卓の横にパソコンを置いて、そのステレオミニプラグをキャノンに変換するコードで接続している・・・
「じゃあ子供達の演奏終わったらこのケーブルをドラム横に置いて、そこからキャノンで卓に繋いで下さいな」
もうこれだけのことをさせるだけで大変(笑)
まあ中国あるある、ワシは無事に外に音が出てドラムが生音ででもちゃんと出ればそれでいいのよ・・・
「じゃあサウンドチェックを始めましょう。バスドラ踏んで下さい」
ドンドンドン、いつものようにサウンドチェックを開始したら、
「なんですかこのバスドラの音は、なんとかなりませんか?
・・・ってお前、ドラムの音色にも口出しすんのか?!!
DIの存在すら知らない、「そんな物を使うことはないので必要ない物だ」まで言い切る人にドラムの音色にまで口出しされてちょっとキレる・・・
「このマイクはMC用のワイヤレスでしょ。だからですよ!!」
だいたいバスドラのマイクもオーバーヘッドのマイクも同じコンデンサーマイクで、それもワイヤレスって・・・(笑)
まあバスドラのフロントヘッドの穴の外にあるマイクをもっと中に突っ込んだ方がちょっとはマシになるだろうとマイクを動かそうとしたら、
そんな私を阻止して、
「知らないんですね、これはドラム専用のマイクですよ」
・・・もうね、かなりキレた!!
DIの時にも
「そんな物を使うことはないので持ってなくて当然だ」
みたいな物言いに、
「お前なぁ・・・俺がこの国で50箇所以上同じやり方で廻っててなぁ・・・」
まで言って、
「そんな程度の低いこと言ってんのはお前だけだぞ!!」
を飲み込んで言わなかったのだ。
中国人とケンカしたって何もいいことはない。
相手のプライドを立ててやることはこの国で仕事をするのに一番大切なことである。
「ケッ!!」
私は後ろを向いて、苦笑いをした。
「ドラム専用マイクだって・・・笑っちゃうよな・・・」
私はさぞかし嫌な顔をしてただろう、でも思い直して笑顔で振り向いた。
「じゃあこれで本番よろしくお願いします〜」
イヤなことは忘れてホテルに帰ってちょっと休み、
そして本番!!
「襄阳首届鼓手节」・・・なるほどね、「第一回襄陽ドラムフェスティバル」ね・・・
そう言えば鄭老師、
「初めてやるんで色々わからないことが多いんでよろしくお願いします」
と言ってたなぁ・・・
まあ段取り悪いのは今までも結構あったし、
音さえ出ればそれで何とかなるでしょう〜
「モニターがね、子供達のドラムの側にないでしょ。
これだと伴奏の音が聞こえなくてオケとどんどんズレちゃうからね」
サウンドチェックの時にそうちゃんと言ってあげてたのに、
本番ではやっぱり聞こえないのかちゃんとリズムがズレてる(>_<)
鄭老師、ステージの上からミキサーに
「すみませんが子供達のモニターを上げて下さい」
と言うが状況は変わらない。
モニターがステージの一番前にあるからよ〜(>_<)
遠過ぎて聞こえないのよ〜
シールドが短くて場所が動かせないので、結局子供達はそのままの状況でやるしかない。
まあ色んな場所で数多く見て来た現象である。
頭打って初めてわかる。来年にはちゃんと個別にモニターを用意するでしょう(笑)
さて子供達の出番が終わって私の出番!!
ミキサー卓からシールドを持って来てもらって繋ぐ。
モニターなんか要らない!!
何度もそんなことがあると一切モニターなんかに頼らない!!
イヤホンでクリックも伴奏も全部聞くし、
最初に演奏する曲は伴奏の音が先に先行して流れる曲にしてある。
ドラムと同時に始まる曲だと、外にちゃんと伴奏が出ているかわからんしね。
一度ずーっと伴奏が出てなくて1曲最後までドラムだけで叩いてたらしいし、
長いリズムソロやなぁ・・・(笑)
ついでに言うと、電源が必要なシステムも使ってない。
全て電池である。
ある時は電源引っこ抜かれて伴奏止まったもんなぁ・・・(シミジミ)
伴奏を出す、イヤホンをちょっと外してちゃんと音が外に出てるか確認、
出てる、イヤホンを直して待機、クリックが始まってそこから演奏開始!!
別に何の問題もない!!全く人に頼らないシステムである・・・
MCを挟んで2曲目、今度はクリック聞いてからドラムと伴奏が同時に始まる。
あれ?・・・ちょっと異変を感じて伴奏を止めてみる。
クリックが外に出てるやないの!!(>_<)
子供達はクリックがない音源をステレオで流すので、
サウンドチェックの時に
「右側だけ流すんですよ。左側はクリックなんでミュートして下さいよ」
とキツく言ってたのに忘れてるし〜(>_<)
ということは1曲目はずーっとクリックも外に流れてたのね・・・
まあ伴奏が流れてないよりはええわ(笑)
クリック外に流さないようにお願いして2曲目!!
まあドラマーは永遠に自分の外音をリアルタイムに自分で聞くことは出来ないので、私が出来ることはここまでである。
命がけでドラム叩いてそれで終わりである・・・
息も絶え絶えにステージを降りて、ステージ袖でびしょびしょのTシャツ脱いで汗を拭いている私を鄭老師が目を丸くして見ている。
「この人、飲んでる時は楽しいけど、こんな凄い人だったんだ・・・」
そんな視線である。
「子供達と一緒に写真を撮ろう」
ということになって記念撮影。
例のエンジニアがすっ飛んで来て、子供達を押しのけて
「老師!!私と一緒に写真撮って下さい!!」
(笑)
自分の子供をステージに上がらせて他の子供を押しのけて私と記念撮影までさせている(爆笑)
態度がここまで180度変わると面白いな(笑)、
打ち上げにまでやって来て一緒に酒を飲んだ。
昼間のわだかまりは酒と共に全部飲み干した。
これでいいのだ・・・
打ち上げなう〜 北京でもよく食って大好きなイスラム料理〜この街には回族が1万人ほどいてイスラム料理も美味しいとか・・・ でも北京で食うより倍辛い(>_<) - Spherical Image - RICOH THETA(端っこにいるのがエンジニアさん(笑))
ホテルまで送ってくれる途中、漢江の辺りで「孔明灯」を飛ばした。
昔諸葛孔明が通信手段に使ったんだと・・・
翌日は念願の「黄酒(HuangJiu)」と牛骨麺!!
三国志の英雄達もこの酒を飲んで天下を語ったのかなと想いを馳せた・・・