
2016年3月30日
WINGワールドツアー香港リハーサル
もう25年の付き合いとなる彼だが、
普段は彼はコンサートなどではワシではなく若いドラマーを起用している。
アマチュアバンドから始まって、中華圏で今だに誰も超えることが出来ない大成功を納めたバンドとなったBEYONDのメンバーとして、やはり「後輩の育成」というのを考えているというのが誠に「彼らしい」と感じるなあ・・・
ワールドツアーとか北京など押さえて置かなければならない大きなコンサートでは思い出したようにワシを呼ぶ(笑)
「Funky〜何時に香港着く?迎えに行くよ」
といつもメッセージが来るのだが、高々バックバンドのドラマーが香港にやって来るのに歌手自らが迎えに来ることないのよ〜
「ホテルまで自分で行けるから大丈夫〜」
と返事を返して置くが、
「空港着いた〜」
とメッセを送るとすかさず、
「Funky〜じゃあメシ食おうぜ〜」
といそいそとメシの段取りをしてくれる。
そして大宴会!!(笑)
全くもって北京のLuanShuとか彼は「ワシとメシ食うのがそんなに楽しいんかい!!」と突っ込みたくなるほどワシによくしてくれる・・・
ワシも別に「仕事」というのではなく「旧友に会いに来た」というニュアンスなのだが、彼にとってもきっと「旧友が訪ねて来てついでにドラムを叩く」ぐらいのニュアンスなのであろう・・・(笑)
ちなみに「仕事」ではないのでギャラは決まっていない(笑)
ある時は多くくれたり、またある時などはお父さんが亡くなって、
「立派な葬式を出してあげたいんだ。ギャラはちょっと待ってくれないか」
と言われたり、
もちろん「ギャラなんか要らねえよ。立派な葬式出してやんな!!」ってなもんである。
毎回コンサートが終わると彼が自分の手で「红包(HongBao)」というのをバンドメンバーやスタッフなどに手渡す。
「红包(HongBao)」というのは赤い封筒にお金を入れた、いわゆる「お年玉」みたいなもんで、まあそれがギャラ代わりみたいなものになっている。
ところがリハーサルが始まっていきなりWINGが「红包(HongBao)」をワシに手渡す!(◎_◎;)
「何なの?これ・・・」
と聞くと、
「ほら、北京のファンキースタジオで何度か歌の練習させてもらっただろ・・・」
まあつまりスタジオ代も「红包(HongBao)」なのである。
彼は北京ではワシんとこよりももっともっと遠いところに住んでおり、
一番近いスタジオがうちだということから、
コンサートが近くなって来るとギターを持って歌の練習をしに来たりするのだ。
まあ自分ちなんだから友達が来て勝手に歌の練習している分には金なんぞ要らないのだが、ここで「红包(HongBao)」っつうのがいいクッションになって有難くスタジオ代としてスタジオの収支に納めることが出来る。
良くも悪くもあるが、中国的ないいシステムである・・・
ところで亜熱帯に位置する香港であるが、そこで生活しようとするととても「寒い」ところである。
東南アジアの色んな国でもそうなのだが、何せ屋内ではこれでもかとクーラーを全開にして、本当に「冷蔵庫の中で暮らしている」という状態になる(>_<)
夏などでは外は気温40度で湿度100%で、室内に入れば冷蔵庫なのだからもうてきめんに風邪を引いてしまう・・・
また今回ワシは香港ーオーストラリアーマレーシアということで短パンとか夏の用意しかしてなかったのだが、思いの外外気が寒かったので中でも外でも凍えている(>_<)
それなのにWINGは
「それだけドラム叩いてたらさぞかし暑いだろう」
ということで扇風機まで買って来てくれた・・・
いや、冷蔵庫の中でドラム叩いて決して暑くはないんですけど・・・(>_<)
おまけに老眼のワシのためにわざわざマジックで太字で目盛り書いてくれたり・・・(感涙も含む涙)
もうね、一度ぐらいはスイッチを入れねばということでちょっと風邪気味(笑)
そしてリハが終わると毎日宴会!!(笑)
全くもってギャラ払って「仕事」として発注して「メシは自分でね」とした方が絶対に安くつくだろうが、これがまた中国人のメンタリティーなのよね・・・
リハが終わる頃になると毎回頭を悩ませてワシに相談して来る・・・
「Funky〜今日は何食いたい?」
事務所の力でスターになったその辺の流行歌手とは違う。
アマチュアバンドから始めて今に至る彼にとっては「バンド仲間」は何よりも大切なものである。
まずバンド仲間に楽しんでもらう。
そしてもしもお金が余ったらみんなで分けよう。
ってな感じなのである。
香港での3日間のリハ(暴飲暴食)も終わり、
今日は最初の公演地、シドニーに出発!!
ワシにとっては初めてのオーストラリアである。