
2016年3月 6日
青島の领导(LingDao)たち・・・
志賀高原から湯沢温泉にも行って日本を堪能したLuanShuは、
ちょうどワシがひとりドラムツアーで青島に着いた頃に北京に帰り着いたようだ。
「お前が青島にいるなら俺も行く!!
旧正月は里帰りしてないからどうせ行かなきゃなんないしな・・・」
などと言ってた彼も、さすがに帰国してすぐに青島には来れなかったようだ。
ワシも北京に帰って一緒に飲んだ時、
「俺は3月2日に里帰りするけどお前はどうする?」
と言うので、
「どうするって・・・じゃあ行こうかな・・・」
というわけでまた青島に行くことになった。
「じゃあ飛行機取ってやるよ」
と大盤振る舞い。
しかも
「悪いなぁ、チケット取ったんだけどファーストクラスじゃないんだ、ごめんね」
ってワシ・・・国内でファーストクラスなんか乗ったことないんですけど・・・(笑)
じゃあ2日の朝に空港で〜というわけで当日、
ワシは早めに空港に着いたのじゃがLuanShuが待てども待てども来ない(>_<)
道が混んでたからのようだが、さすがはVIP!!
飛び込みでギリギリ身体だけは乗れたようだ。
その代り荷物はNG!(>_<)
しかし翌日にはコネを使って別便で荷物をホテルに送り届けるほどのVIPぶり(笑)
そのホテルっつうのもまた高級ホテルでね〜
毎回梁棟(Liang Dong)が毎回無理していいホテル取ってくれるんだけどそのレベルを軽く超えたな・・・
(もちろんホテル代も出してくれている)
さてこのホテルを拠点に毎食の暴飲暴食が始まるのだが、
その相手が全部青島市のお偉方ばっか!(◎_◎;)
青島市長だの青島電視台の局長だの・・・
ちなみに中国語でこれらの偉い人のことを「领导(LingDao):指導者」と言う。
こんな人たちと一体どんなモノを食うかと言うと、
ある日の昼食などは日本で言うと迎賓館(行ったことないからわからんが)みたいなところで食事!!!(◎_◎;)
食事が始まります!!
テーブルに並べられた前菜の中でひときわ目を引くのがこれ!!
これ・・・霜降り牛肉で小鍋でしゃぶしゃぶして食うのかと思ったら、
なんとこれ・・・マグロのトロの霜降り!!!(◎_◎;)
こんなん初めて見たわ・・・(驚)
そしてスープ!!
このふわふわしたもんは実は豆腐!!
それに包丁でむっちゃ細かく切れ目を入れてこのようにしているのだ!(◎_◎;)
もう料理と言うよりは芸術!!(驚)
カニーーーーーー!!!!(涙)
これ何の泥魚かと思ったらフグーーーーー!!!(驚)
こんな料理法するのね・・・
しかもキモがちゃんとあるし・・・パクリ!!(感涙)
もうね、朝鮮人参なのか食ったことないようなんもあるし、
全部料理載せきれんぐらいのフルコース!!(涙)
極め付けはシメのラーメン!!
ラーメンは中国ではなく日本の文化だと思ってたが、
ここに来て初めて覆されるこの旨さ!!(涙)
中国人やれば出来るんでねーの!!
これそのまま「東京ラーメン」として売り出しても大流行りになるのではというレベル・・・
いや、何が使われてるかわからんがきっとコストが合わんな・・・
デザートのヨーグルトは自分で具を入れてお好みで!!
みたいな・・・
そんな豪勢な料理と、
結局青島に来て青島ビールを飲まずに高級ワインばかりを飲んでいるのだが、
またこの领导(LingDao)たちが飲むのよ〜・・・
ワシも最初のうちは場違いやし偉い人と一緒やと緊張するからイヤやったんやけど、
なんか人間酔っ払うとみんな一緒ね(笑)
晩飯食い終わって一緒に生バンドが入ってるパブに行くのぢゃが、
LuanShuがステージに上がって弾き語りで歌うのはいいとして、
その领导(LingDao)たちも代わる代わる上がって歌うのな(驚)
ちなみに市長だか誰かはワシのために「昴」を日本語で歌ってくれた。
(写真自粛)
面白いことに、领导(LingDao)が歌う時には照明を真っ暗にする!(◎_◎;)
聞けば、こんな偉い人がこんなところで歌なんか歌っている映像がUPされたら、
後々それがどのように使われて政治生命を脅かされたりするのを防ぐためだそうで、
なるほど中国・・・という感じである・・・
さてそんな音楽好きの领导(LingDao)たちがワシらを何やらとある共産党の施設に案内してくれた。
「共産党入党宣言」と書かれた物々しい張り紙の前で演奏するのは共産党お抱えのバンド???・・・
前の晩に领导(LingDao)と酔っ払って熱く語り合ってたLuanShuがワシに
「Funky!!喜べ!!青島で新しい仕事が始まるぞ!!バンドもんだ!!」
と叫んでいたが、このことか?・・・
共産党の歌や毛沢東を讃える歌など革命の歌を披露するのだが、
どこかで感じた似たような感覚・・・
そう!!北朝鮮!!!
でも大きく違うのがこの若いミュージシャン達がみんな「ロック」の洗礼を受けていること・・・
おそらくは物心ついた頃に聞いたのがこのLuanShuの在籍していた黒豹の音楽?
青春時代はワシが参加した許魏(Xu Wei)など中国ロックの名盤?
そんな二人が雁首揃えて自分の演奏を見てる・・・
そんなとてつもない緊張感の中、ディストーションのパワーコードや早弾きソロを駆使しして共産党の音楽を奏でる・・・
思えば中国のように「制度は社会主義、経済は資本主義」に進んでいる北朝鮮・・・
牡丹峰楽団などを率いて新しい革命の音楽によって国を治めようとしている金正恩第一書記がやりたかった音楽はこの世界なのではないか・・・
演奏後に领导(LingDao)に即されてアドバイスを述べるLuanShu・・・
「バンドの仕事ってこれか???・・・」
まあお前がやるんやったらやるけど・・・(笑)
思えばワシが初めて北京に来た25年前には共産党はこのLuanShuをはじめ中国のロックを目の敵にしていた。
それが今ではそのロックの人に教えを請う時代になった。
北朝鮮がいつかそうなる日が来てもおかしくない・・・
どれどれ今年また一回行って来るかな・・・
(注:写真は単なるイメージです。出典元はこちら)