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2016年3月30日

WINGワールドツアー香港リハーサル

もう25年の付き合いとなる彼だが、
普段は彼はコンサートなどではワシではなく若いドラマーを起用している。

アマチュアバンドから始まって、中華圏で今だに誰も超えることが出来ない大成功を納めたバンドとなったBEYONDのメンバーとして、やはり「後輩の育成」というのを考えているというのが誠に「彼らしい」と感じるなあ・・・

ワールドツアーとか北京など押さえて置かなければならない大きなコンサートでは思い出したようにワシを呼ぶ(笑)

「Funky〜何時に香港着く?迎えに行くよ」
といつもメッセージが来るのだが、高々バックバンドのドラマーが香港にやって来るのに歌手自らが迎えに来ることないのよ〜

「ホテルまで自分で行けるから大丈夫〜」
と返事を返して置くが、
「空港着いた〜」
とメッセを送るとすかさず、
「Funky〜じゃあメシ食おうぜ〜」
といそいそとメシの段取りをしてくれる。

そして大宴会!!(笑)

全くもって北京のLuanShuとか彼は「ワシとメシ食うのがそんなに楽しいんかい!!」と突っ込みたくなるほどワシによくしてくれる・・・

ワシも別に「仕事」というのではなく「旧友に会いに来た」というニュアンスなのだが、彼にとってもきっと「旧友が訪ねて来てついでにドラムを叩く」ぐらいのニュアンスなのであろう・・・(笑)

ちなみに「仕事」ではないのでギャラは決まっていない(笑)

ある時は多くくれたり、またある時などはお父さんが亡くなって、
「立派な葬式を出してあげたいんだ。ギャラはちょっと待ってくれないか」
と言われたり、
もちろん「ギャラなんか要らねえよ。立派な葬式出してやんな!!」ってなもんである。

毎回コンサートが終わると彼が自分の手で「红包(HongBao)」というのをバンドメンバーやスタッフなどに手渡す。
「红包(HongBao)」というのは赤い封筒にお金を入れた、いわゆる「お年玉」みたいなもんで、まあそれがギャラ代わりみたいなものになっている。

ところがリハーサルが始まっていきなりWINGが「红包(HongBao)」をワシに手渡す!(◎_◎;)

WingWorldTour2016HongBao.jpeg

「何なの?これ・・・」
と聞くと、
「ほら、北京のファンキースタジオで何度か歌の練習させてもらっただろ・・・」

まあつまりスタジオ代も「红包(HongBao)」なのである。

彼は北京ではワシんとこよりももっともっと遠いところに住んでおり、
一番近いスタジオがうちだということから、
コンサートが近くなって来るとギターを持って歌の練習をしに来たりするのだ。

まあ自分ちなんだから友達が来て勝手に歌の練習している分には金なんぞ要らないのだが、ここで「红包(HongBao)」っつうのがいいクッションになって有難くスタジオ代としてスタジオの収支に納めることが出来る。

良くも悪くもあるが、中国的ないいシステムである・・・


ところで亜熱帯に位置する香港であるが、そこで生活しようとするととても「寒い」ところである。

東南アジアの色んな国でもそうなのだが、何せ屋内ではこれでもかとクーラーを全開にして、本当に「冷蔵庫の中で暮らしている」という状態になる(>_<)

夏などでは外は気温40度で湿度100%で、室内に入れば冷蔵庫なのだからもうてきめんに風邪を引いてしまう・・・

また今回ワシは香港ーオーストラリアーマレーシアということで短パンとか夏の用意しかしてなかったのだが、思いの外外気が寒かったので中でも外でも凍えている(>_<)

それなのにWINGは
「それだけドラム叩いてたらさぞかし暑いだろう」
ということで扇風機まで買って来てくれた・・・

WingWorldTour2016Senpuuki.jpeg

いや、冷蔵庫の中でドラム叩いて決して暑くはないんですけど・・・(>_<)

おまけに老眼のワシのためにわざわざマジックで太字で目盛り書いてくれたり・・・(感涙も含む涙)

もうね、一度ぐらいはスイッチを入れねばということでちょっと風邪気味(笑)


そしてリハが終わると毎日宴会!!(笑)

WingWorldTour2016Enkai.jpeg

全くもってギャラ払って「仕事」として発注して「メシは自分でね」とした方が絶対に安くつくだろうが、これがまた中国人のメンタリティーなのよね・・・

リハが終わる頃になると毎回頭を悩ませてワシに相談して来る・・・
「Funky〜今日は何食いたい?」

事務所の力でスターになったその辺の流行歌手とは違う。
アマチュアバンドから始めて今に至る彼にとっては「バンド仲間」は何よりも大切なものである。

まずバンド仲間に楽しんでもらう。
そしてもしもお金が余ったらみんなで分けよう。

ってな感じなのである。

WingWorldTour2016Rh.jpeg

香港での3日間のリハ(暴飲暴食)も終わり、
今日は最初の公演地、シドニーに出発!!

ワシにとっては初めてのオーストラリアである。

Posted by ファンキー末吉 at:14:32 | 固定リンク

2016年3月21日

日本に家を買いに行く中国人

前回志賀高原でご一緒したLuanShuの親分Hさんだけでなく、
LuanShu本人も家を買うと言うので物件を探しに一時帰国・・・

いやね、土地の値段がバカ高い北京の人たちにとって、
日本で1億円ぐらいの物件なんか安い安い!!

ほんま北京市内に1億円以内で家買おうと思ったら大変よ・・・

それに中国は家を「所有」するわけではない、
70年間の「租借権」を買うという形らしい。

つまり土地は全て「国」のものなのであるから、
「70年の間自由に使っていいからその分お金を払いなさい」というもの・・・

これってワシは、もし70年経つ前に売買したとしたら当然ながらそこから70年間の租借権となるのかと思ったら実はそうではないらしい・・・

例えば20年住んで中古で物件を売却したら、
そこにはあと50年しか住めないということである(驚)

この制度が始まってまだ20年も経ってないだろうが、
あと50年経ったら全ての物件はどうなるのだろう・・・
そこにどんな人が住んでようが国が全部没収してしまうのだろうか・・・

はっきり言って国はまだそんなに考えてないのだということらしい。
「到了再说吧(その時が来たら考えよう)という感じで、
買う方は買う方で
「70年後にはどうせワシ生きてないし〜」
ぐらいにしか考えてなくて全中国でこのシステムが定着してしまっている(驚)

まあ中国人にとってみたら、
北京より安い金で日本に家買ったら永久に自分のものになるだけでなく、
ヘタしたら自分の子孫にまで財産が残せるんだからこんなオイシイ話はないだろう・・・

でもそれはそれで大変なんちゃうかなぁ、
そんな大金をどうやって両替するのだろう、どうやって持ち出しするのだろう・・・

何か多額の送金は国が制限し始めたということで、
まさか現金をバッグに詰めてハンドキャリー?・・・

んなわけないか・・・
金持ちは金持ちでワシにはわからんいろんな方法を知っとるんやろうなぁ・・・

まあ「お前が持って行け」と言われて現金で1億円渡されたら持って行くけど(笑)

場所は軽井沢と野沢温泉を所望らしい。
まあ北京に比べたら空気も格段にいいからええかも知れんな。

「自分が泊まらない時は管理も頼む」と言うので十数年ぶりに軽井沢でペンションやっとる幼馴染を訪ねてゆく。

まあ管理はそいつに任せて、使ってない時はワシが別荘代わりに泊まりに行ったるぞ〜

Posted by ファンキー末吉 at:04:16 | 固定リンク

2016年3月19日

Big John張嶺(Zhang Ling)中国華南地方プチツアー

老炮儿(LaoPaoer)という言葉を最近よく耳にする。

映画のタイトルにもなってちょっとした流行り言葉なのだろう。
「どういう意味なの?」
と中国人に聞くとみんな
「Funkyさんみたいな人のことをいうんだよ」
と笑う。

よくわからないのだが、
「高い経験値や技術などで若い人の度肝を抜くような高年齢の人」
みたいな感じらしい・・・

まあ言ってみれば「すんげージジイ」みたいなニュアンスだろうか(笑)

「Big John張嶺和老炮儿们」(張嶺とすんげージジイ達)と銘打って行われた1月の北京ライブは大好評だったらしく、
「ツアーやろうぜ!!」ということで2週間前に突然ツアーが組まれた(驚)

ツアータイトルは「老炮儿来袭(すんげージジイの来襲)」(笑)

ツアーのくせにブッキングが突然なのよねぇ・・・
ワシは月末の山東省のツアーはドタキャンになったこの仕事が入ってて参加することは出来ない。
誰か他のドラマーをブッキングしているようだ。

今回の華南地方も元々は3月18日の上海が決まってたようで、
そこからどこか繋げたいということなので先日よくしてくれた蘇州のライブハウスを紹介した。

ところが1週間前だというのにいきなり決定になって、
しかも2ステージ入れ替え制というのにはびっくり!(◎_◎;)

思うに「ギャラ制」なのだろう。 だからオーナーとしては何とか元を取るために2部制にした、と・・・
これも「有名人」だから出来る技やなぁ・・・

LaoPaoerSuZhou201603.JPG

前回の北京お披露目ライブではゲストがいっぱい出て大所帯のバンドになってたけれども、この基本メンバー4人でのライブは初めて!!

4リズムの基本リズムでベースがボーカルといういい感じのバンド。

しかもボーカルの張嶺(ZhangLing)はその昔は、
「最近のヒット曲の全てはドラムはFunkyさんでベースは張嶺(ZhangLing)さんだよね」
と言われてたほどワシと共に一番売れっ子スタジオミュージシャンとして活躍してた。

その後彼はJazzクラブに籠ってリアルブックの全ての曲を暗譜で弾けるように修行。
もうJazzからロックから何でもOKのスーパーベーシストでもある。

ベースを弾きながら歌うので歌ってる時にはベースは簡略化するが、
ソロ回しになると昔のJazzセッションのような楽しさが思い出されて来て非常に楽しい。

さすが老炮儿(LaoPaoer)すんげージジイ(笑)
これは密かに楽しいバンドかも知れないぞとほくそ笑むワシ・・・


さて「ツアー」と言えば楽しみは現地現地での暴飲暴食であるが、
そのライブハウスの周りにはそんなに夜中まで開いてる店がなく、
「じゃあ明日に備えて今日は寝ますか」
となってる矢先、キーボードの張張(ZhangZhang)が、
「蘇州の日本人街とやらに行ってみたい」
と言い出した。

ちょうど地元の日本人の友人チャッピーさんが見に来てくれてたのでメンバー全員で連れてってもらった。

LaoPaoerSuZhouUchiage201603.JPG

蘇州は日本人は1万人ほどしかいないと言うが、
そのほとんどがこの新区と呼ばれるところに密集して暮らしている。

北京や上海では日本人の数はもっと多いが、
広い街の中に点在しているのでそんなに目立たないのに対して、
ここ蘇州の新区はほとんどの日本人がここに密集しているので、
言うならばここは中国で一番日本人の密度が高い場所である。

ひとつのストリートはそのほとんどが日本料理屋、
もしくは日本人相手のスナックやマッサージ、
さしずめここは「リトルトーキョー」みたいになっている。

いつもチャッピーさん含めたおっさん共と行く店は時間的に無理ということでとある焼き鳥屋に連れて来てもらったのだが・・・

見ればおっさんの日本人客に全て若い女の子がついている!(◎_◎;)

聞けばこの店は日本人スナックなどで同伴で女の子を連れ出すのによく使われる店らしい・・・

最近「モテ期」だというチャッピーさん、
さっそくその女の子のひとりに声をかけられる。

「おうっ!!こっち来て一緒に飲もうぜ!!」
会話はもう日本語である。

「チョットオ客サン送ッタラマタ戻ッテ来ルネ、待ッテテネダーリン」

!(◎_◎;)

そしてふたりの女の子が戻って来て一緒に飲み始める・・・
しかも日本語で(笑)

またその女の子達は有名中国人である張嶺(ZhangLing)などには全く興味を示さない!(◎_◎;)

それどころかワシを見つけると
「アアコノ人有名人ネ」
とばかり二人とも一緒に写真を撮りたがる!(◎_◎;)

そりゃそうだ。
彼女達にしてみたら日本人客の誰も知らない張嶺(ZhangLing)なんかと写真を撮ったところでそれを「商売」には使えない。
ワシとの写真ならどの日本人客にでも会話の糸口ぐらいにはなるからであろう・・・

自分が女の子達から全く相手にされずに、
ワシだけが女の子にモテまくってると思った張嶺(ZhangLing)、
意地悪そうな笑みを浮かべてこんなことを言う・・・

「俺はもう20年近くFunkyさんと付き合って来たけど、
今日初めてFunkyさんの新しい一面を見たよ。
だからいつもこんなに頻繁に蘇州に来るんだな・・・ニヤリ」

おーい!!!勘違いするな!!
蘇州はおっさんばかり!!おっさんしかいないの〜!!!(涙)

というわけでここのバンドメンバー分は全部ワシが奢らされました(涙)


さて旅は続く・・・

蘇州から上海までは新幹線で30分ほど。
迎えの車に乗せられて連れて来られたのはオシャレなブルースバー・・・

この日は張張(ZhangZhang)が来られないということでアメリカ人のギタリストがブッキングされていた。

LaoPaoerShanghai201603.JPG

いや上海って実は彼みたいに全く中国語を話せないミュージシャンが結構仕事してるのよね・・・(驚)

張嶺(ZhangLing)は留学経験があるし、
ギタリストのロビンはニュージーランド国籍なので英語はバリバリなので、その瞬間からバンド内言語が全部英語になってしまう(>_<)

ワシね・・・英語ダメなの(涙)

英語で喋ってるつもりでいても気付かないうちに一部が中国語になってたり、
今度は中国語に戻った時にもう何語かわからんようになってたり(>_<)

もうね・・・本番終わるまでそのアメリカ人ギタリストと全く喋らんかったし・・・(涙)

でもねぇ・・・言語って大切やなと思ったのは実はコミュニケーションの問題だけではない!!
こんなことがあった・・・

実は張嶺(ZhangLing)の曲で「如果布鲁斯是生活」という曲がある。
日本語で言うと「もしもブルースが生活だったら」という意味である。

歌としては次に「那生活是简单的」と続く・・・
つまり「じゃあ生活って簡単じゃん」という感じだろうか・・・

ところが英語で言うと全く意味が違っていた!!!(◎_◎;)

「If Life was the Blues」・・・
つまりこの曲は「is」ではなく「was」だったのだ!!!!(◎_◎;)

中国語も日本語もあまり「時制」に厳しくないからわからなかったが、
この「is」が「was」になっただけでニュアンスが全然違って来る!!

つまり「ブルースは生活ではなかった」のだ・・・(涙)

だからそれに続く「那生活是简单的」は結果的に「だから生活は簡単ではなかった」ということになる(驚)

8ビートのマイナーブルースの曲なのだが、
この簡単な中国語の歌詞ならワシの中国語力でもすぐに歌詞が飛び込んで来て、
インプロビゼーションも多く「楽しい曲」のように感じていたワシは、
この瞬間にニュアンスが全く違って入って来た。

奴隷として連れて来られた黒人は、
悲しい境遇を歌に込め、楽しく歌うことによって生きて来たという・・・

ブルースはとてつもなく悲しい音楽で、
そしてとてつもなく楽しい音楽だというのはここに根本がある!!

もしワシが全く英語を理解出来ない人間だったとしたら、
この根本的な「詞の深さ」さえもわからなかったかも知れない・・・

言語は大切やなぁ・・・

5月にはこのメンバーでアメリカツアーをしようということでスケジュールを押さえられている。

ワシは中国語が全く理解出来なかったらこれほど中国人のメンタリティーはわからなかっただろうというのと同じように、
コミュニケーションの問題も含め、もっと英語が理解出来ればアメリカから来たこの音楽のもっと深い部分が理解出来るかも知れんからなぁ・・・

4月にはWINGの世界ツアーでオーストラリアとマレーシアが入っているし・・・
これを機会にもうちょっと英語勉強しようかな・・・

Posted by ファンキー末吉 at:20:39 | 固定リンク

2016年3月16日

またまたドタキャン(>_<)

日本人の一流ミュージシャンばかりでバックバンド再開!!という使命を受け、
前回とはひとりを除いて全く違うメンバーが集まった。

前回はワシ自身が参加できなかったが、実は今回はワシ自身もドラマーとして参加である。

実は迷ったのよね〜・・・
長年の朋友WINGのオーストラリア、マレーシアツアーのために26日に香港に飛ぶ飛行機が押さえられているので、本来ならば本番のスケジュール26日が完全にぶつかっている・・・

今回のこの上海でのバックバンドの仕事は「自分が仕事したい」というよりも、中国の音楽界の活性化や日本のミュージシャンが将来もっとバリバリに中国で仕事をしてもらいたいがためのもので、むしろ日本の一流ドラマーに来てもらった方がよい。

しかしまあ主催者側もワシがいてくれなければ不安だということで考えた!!

だいたいにして朋友WINGは夜型の人間である。
リハが行われるのはだいたいにして夕方開始が多い。
(それでも寝坊して来る時もある・・・笑)

香港でのリハは27日から開始ということは確認しているので、
万が一昼からのリハになったとしても27日の朝いちで香港に飛べば間に合うであろう・・・

しかしこの段階でワシはWING側には「27日のリハ当日に香港入るよ」とは伝えてない。

この辺は「センス」である。
後にこれが大当たりで大きく助かることになる・・・


さて、お声をかけさせて頂く方には
「中国の仕事はドタキャンが多いから」
と仕事の発注の時点でお伝えしているのだが、
(そのためにちゃんと前渡金を取って渡している)
人によってはなかなか詳細が詰まらないと不安な人もいるようだ。

まあその気持ちもわかるので、間に立ったワシは一生懸命中国の事情を説明する。

今回も
「空港でWi-Fiをレンタルするのにフライトが羽田か成田か知りたい」
という方がいて、
「もう羽田ということでオーダーは出してるんですがまだ回答がないんですよ」
と説明した。

思えばその時にこんな発言をしなければよかったのだ・・・
「前回はこの段階でドタキャンになりましたけどね(笑)」

「言葉が運命を呼び込む」というのは本当にあるのかも知れない。
まさにこの発言をメールで送りつけた瞬間にワシのWeChatがメッセージを受信した・・・

またまたドタキャン(>_<)

もうね、先方の平謝りが凄いのよ・・・(笑)
(まあ2回連続なのでそうなのだろうが)

でもワシとしては前渡金ももらっているので「没問題(MeiWenTi)」と返事しておく。

しかしこの辺においては日本人ミュージシャンとしては考えが分かれるようだ。
前回も
「そんなことだろうと思った。パスポート返して下さい」
と少々お怒りのメールをお送りになった方もいて結構ショックを受けた・・・

まあ日本の非常にシステマライズしたやり方に慣れている方にとってはこれらのことは許せんことかも知れんが、ワシなんかは前回はただ人助けで皆様のために一生懸命前渡金も取って一番働いたわけぢゃが、今回は初めてもらう側になって・・・

もうね・・・全然「没問題(MeiWenTi)」!!\(^o^)/

スケジュールをしばらく押さえるだけでお金もらって、
(ワシの場合はLaoLuanとこに入るのだが)
結局はその金返さずにスケジュール空いて別の仕事も入れられるなんて天国よ〜(笑)

そこで前述の香港行きのチケットが生きて来る!!

実は前渡金をゲットした瞬間にWING側にチケットの変更、もしくはキャンセルをお願いしようか迷ったのよ・・・

まあ
「自分の都合なので先に自分で上海ー香港のチケットを押さえてから連絡しよう」
と思ってアプリでポチリ!!!・・・

・・・しようと思ったら何故だか指が重い・・・

まるで左門豊作と対決する星飛雄馬の腕に左門豊作の弟妹達がへばりついてピンチングを邪魔する(古っ!!)みたいな感じである。

「まあいいや、そのまま置いといて上海行きのチケットがFixされたら取るか」
とずーっと置いといたのが助かった。

ヘタしたら26日香港行きのチケットも失ってこの上海ー香港も無駄になってたかも知れない・・・

もうね、この国で生きてゆくにはいろんな「テクニック」が必要!!(>_<)

会場は全部国のモノ、許可は全部国の鶴の一声、
共産党一党独裁であるこの国で日本のようなシステマライズされた状況を期待したって絶対無理なのである。

でも中国の仕事もどんどん状況はよくなっている。
前渡金を2度もゲット出来るなんて10年前には考えられなかった。

次もまた同じような仕事が来るだろう・・・しかもまた直前に(笑)

ホント、こんなんでいいと思って頂ける日本の一流ミュージシャンの方は、
これに懲りずに是非また私の誘いに乗って下さい(ペコリ)

皆様が更に大きく羽ばたけるチャンスがこの国にはあると思ってます。

Posted by ファンキー末吉 at:09:27 | 固定リンク

2016年3月 6日

青島の领导(LingDao)たち・・・

志賀高原から湯沢温泉にも行って日本を堪能したLuanShuは、
ちょうどワシがひとりドラムツアーで青島に着いた頃に北京に帰り着いたようだ。

「お前が青島にいるなら俺も行く!!
旧正月は里帰りしてないからどうせ行かなきゃなんないしな・・・」
などと言ってた彼も、さすがに帰国してすぐに青島には来れなかったようだ。

ワシも北京に帰って一緒に飲んだ時、
「俺は3月2日に里帰りするけどお前はどうする?」
と言うので、
「どうするって・・・じゃあ行こうかな・・・」
というわけでまた青島に行くことになった。

「じゃあ飛行機取ってやるよ」
と大盤振る舞い。

しかも
「悪いなぁ、チケット取ったんだけどファーストクラスじゃないんだ、ごめんね」
ってワシ・・・国内でファーストクラスなんか乗ったことないんですけど・・・(笑)

じゃあ2日の朝に空港で〜というわけで当日、
ワシは早めに空港に着いたのじゃがLuanShuが待てども待てども来ない(>_<)

道が混んでたからのようだが、さすがはVIP!!
飛び込みでギリギリ身体だけは乗れたようだ。

その代り荷物はNG!(>_<)
しかし翌日にはコネを使って別便で荷物をホテルに送り届けるほどのVIPぶり(笑)

そのホテルっつうのもまた高級ホテルでね〜

2016QingDaoHotel.jpg

毎回梁棟(Liang Dong)が毎回無理していいホテル取ってくれるんだけどそのレベルを軽く超えたな・・・
(もちろんホテル代も出してくれている)

さてこのホテルを拠点に毎食の暴飲暴食が始まるのだが、
その相手が全部青島市のお偉方ばっか!(◎_◎;)

青島市長だの青島電視台の局長だの・・・
ちなみに中国語でこれらの偉い人のことを「领导(LingDao):指導者」と言う。

こんな人たちと一体どんなモノを食うかと言うと、
ある日の昼食などは日本で言うと迎賓館(行ったことないからわからんが)みたいなところで食事!!!(◎_◎;)

QingDaoGuiBinLou.jpg

食事が始まります!!

QingDaoGuiBinLouLunch.jpg

テーブルに並べられた前菜の中でひときわ目を引くのがこれ!!

QingDaoGuiBinLouToro.jpg

これ・・・霜降り牛肉で小鍋でしゃぶしゃぶして食うのかと思ったら、
なんとこれ・・・マグロのトロの霜降り!!!(◎_◎;)

こんなん初めて見たわ・・・(驚)

QingDaoGuiBinLouTofuSoup.jpg

そしてスープ!!
このふわふわしたもんは実は豆腐!!
それに包丁でむっちゃ細かく切れ目を入れてこのようにしているのだ!(◎_◎;)

もう料理と言うよりは芸術!!(驚)

QingDaoGuiBinLouKani.jpg

カニーーーーーー!!!!(涙)

QingDaoGuiBinLouFugu.jpg

これ何の泥魚かと思ったらフグーーーーー!!!(驚)

こんな料理法するのね・・・
しかもキモがちゃんとあるし・・・パクリ!!(感涙)

QingDaoGuiBinLouChousenninjin.jpg

もうね、朝鮮人参なのか食ったことないようなんもあるし、
全部料理載せきれんぐらいのフルコース!!(涙)

極め付けはシメのラーメン!!

QingDaoGuiBinLouLaMian.jpg

ラーメンは中国ではなく日本の文化だと思ってたが、
ここに来て初めて覆されるこの旨さ!!(涙)

中国人やれば出来るんでねーの!!
これそのまま「東京ラーメン」として売り出しても大流行りになるのではというレベル・・・

いや、何が使われてるかわからんがきっとコストが合わんな・・・

QingDaoGuiBinLouSweets.jpg

デザートのヨーグルトは自分で具を入れてお好みで!!
みたいな・・・

そんな豪勢な料理と、
結局青島に来て青島ビールを飲まずに高級ワインばかりを飲んでいるのだが、
またこの领导(LingDao)たちが飲むのよ〜・・・

ワシも最初のうちは場違いやし偉い人と一緒やと緊張するからイヤやったんやけど、
なんか人間酔っ払うとみんな一緒ね(笑)

晩飯食い終わって一緒に生バンドが入ってるパブに行くのぢゃが、
LuanShuがステージに上がって弾き語りで歌うのはいいとして、
その领导(LingDao)たちも代わる代わる上がって歌うのな(驚)

ちなみに市長だか誰かはワシのために「昴」を日本語で歌ってくれた。

(写真自粛)

面白いことに、领导(LingDao)が歌う時には照明を真っ暗にする!(◎_◎;)

聞けば、こんな偉い人がこんなところで歌なんか歌っている映像がUPされたら、
後々それがどのように使われて政治生命を脅かされたりするのを防ぐためだそうで、
なるほど中国・・・という感じである・・・


さてそんな音楽好きの领导(LingDao)たちがワシらを何やらとある共産党の施設に案内してくれた。

「共産党入党宣言」と書かれた物々しい張り紙の前で演奏するのは共産党お抱えのバンド???・・・

QingDaoBand.jpg

前の晩に领导(LingDao)と酔っ払って熱く語り合ってたLuanShuがワシに
「Funky!!喜べ!!青島で新しい仕事が始まるぞ!!バンドもんだ!!」
と叫んでいたが、このことか?・・・

共産党の歌や毛沢東を讃える歌など革命の歌を披露するのだが、
どこかで感じた似たような感覚・・・

そう!!北朝鮮!!!

でも大きく違うのがこの若いミュージシャン達がみんな「ロック」の洗礼を受けていること・・・

おそらくは物心ついた頃に聞いたのがこのLuanShuの在籍していた黒豹の音楽?
青春時代はワシが参加した許魏(Xu Wei)など中国ロックの名盤?

そんな二人が雁首揃えて自分の演奏を見てる・・・
そんなとてつもない緊張感の中、ディストーションのパワーコードや早弾きソロを駆使しして共産党の音楽を奏でる・・・

思えば中国のように「制度は社会主義、経済は資本主義」に進んでいる北朝鮮・・・
牡丹峰楽団などを率いて新しい革命の音楽によって国を治めようとしている金正恩第一書記がやりたかった音楽はこの世界なのではないか・・・

演奏後に领导(LingDao)に即されてアドバイスを述べるLuanShu・・・
「バンドの仕事ってこれか???・・・」

まあお前がやるんやったらやるけど・・・(笑)

思えばワシが初めて北京に来た25年前には共産党はこのLuanShuをはじめ中国のロックを目の敵にしていた。
それが今ではそのロックの人に教えを請う時代になった。

北朝鮮がいつかそうなる日が来てもおかしくない・・・

どれどれ今年また一回行って来るかな・・・

LuanShuDriver.jpg
(注:写真は単なるイメージです。出典元はこちら

Posted by ファンキー末吉 at:03:17 | 固定リンク