
2014年3月26日
北京の4つのミーティング
今回は大高清美さんと渋谷有希子さんに始まって、
秀光とRebellioNも来たので滞在2週間でほとんど仕事らしい仕事はしていない(>_<)
というわけで最終日の今日に全てのミーティングが集中した。
午後から3本、最後は中国にありがちな酒と晩飯付である。
ところが出発前にメールが来る。
先日寧夏回族自治区で大高さん達とライブをやった時、
寧夏電視台の人が来て
「バンドコンテストの番組をやりたいから音楽監督やってくれ」
という話が来ていたが、その具体的な話である。
内容より何よりスケジュールである。
「ワシが空いてる日はこれだけよ〜」
とメールを送っていたのだが、
彼らはその空いてる日を全部押さえてそれでスケジューリングした新しい企画書を送って来た。
ふたつ目のミーティングは必ずスケジュールの話になるだろうから、
取りあえず行きのタクシーで寧夏のメールには目を通しておく。
さてひとつ目のミーティング!!
去年尖閣諸島の問題で流れてしまった「日中友好こども(大人も可)サマードラムスクール」の企画、
これがいきなり大決定になって中国側からの応募30人でもう明々後日締め切ろうと言う。
中国の仕事はなかなか動かないが、いざ動いたらすぐに決まる。
ワシは日本側と連絡して企画を大決定にして全てGOせねばならない。
中国語の企画書はもう作って送ってあるが、
至急日本語の詳細を作らねばならんのだ・・・(院子に帰ってやろっ!!)
ついでに全中国ひとりドラムのスケジュールも合わせようとするが、
そこまでやるとキャパを超えるので取りあえず「それは後で」と逃げ出しておく。
そして駆け込んでふたつ目のミーティング!!
これがいつもの峦树(Luan Shu)の仕事なのだが、
長々とミーティングをしているのだが、
ネイティブの中国語はこの日のワシにはあまり理解出来ず、
結局わかったのは青島で何やら大きな音楽祭をやるということらしい。
隣にはよく一緒に仕事をするストリングスのアレンジャーが来ているので、
ワシはよくわからんがきっといつものようにバンド側の取りまとめなのだろう。
問題はスケジュール!!
寧夏電視台がこれだけ押さえてしまうと、
このプロジェクトで1ヶ月押さえてくれと言われても無理である。
通常日本人だったらここで「無理です」で仕事を断るのであるが、
中国で20年仕事をしているワシはそんなことはしない!!(キッパリ)
スケジュールがバッティングしても取りあえず「やる!!」と返事しておくのだ。
まあ「ドタキャンされる国なので最終的にはドタキャンしてもいい」という理論もあるが、
中国では通常この段階の話では往々にして「大決定」ではないのだ。
ひとつの仕事だけでぼこっとスケジュールを押さえていて、
それがドタキャンでぼこっと空いてしまったら目も当てられない。
両方やる方向で押さえておき、
万が一両方ともGOになったら最終的には双方でスケジュールを調整してもらえばいいのだ。
もちろん二つの仕事を同時にこなすと死んでしまうが、
この世界、仕事がない時はずーっとないので、
ある時にやっとかなければ結局飢えて死ぬのだから同じである。
演奏するであろう曲をみんなで聞いて、
まあワシが何を担当するかはわからんが、
ドラムはもちろんのこと、アレンジだったらそれもやるし、
譜面を書くならそれもやる!!(またゴースト使うかもわからんけどな・・・)
この綱渡りが出来ないと中国ではこの仕事が出来ないのだ(ホント)。
幸いにも今までダブルブッキングで仕事を断ったことはない。
最終的に何とかなるのがこの国なのである。
そしてみっつ目のミーティング!!
まあこれはミーティングと言うより「メシ」が主で、
先日せっかく目の見えないゴーストがやったアレンジを断ったロッカーが
「お金は会社が払いますから」
と言うのを断って
「今度メシ奢ってくれればそれでいいから」
となったそのメシを奢ってもらうのだ。
これは実は中国では次の仕事につなげるために非常に大事な「仕事」なのだ。
この会社の彼とはもう知り合って10年になるが、
まあ金になる仕事も振ってもらってるが、だいたいは金よりも「メシ」である。
でもまあ「その節は迷惑かけたなぁ、食ってくれよ」というものである。
彼が用意したのが「牛すじ鍋」と「羊の背骨焼き」。
ワシが20年中国で美食三昧しているのに北京でまだ食ったことのない美食があったなんて驚きである!!
美食にうなりながらビールを飲み、久しぶりに会ったので情報交換していたら、
どうやらワシがやることになるであろう寧夏電視台のバンドコンテストは、
どうやら彼が他のテレビ局に持ち込んだ企画が廻り廻ってここに来てのだろうという話が出た。
だいたいロックだバンドだと言うと全中国でそれ関係の人間はどっかでつながっている。
この広い中国で、あるところまで来ると音楽界など「狭い」ものなのである。
その狭い世界で「ファンキーは最近何してる?」と言って、
「いや実はねぇ・・・」と話題に事欠かないことがその狭い世界では重要なのだ。
この国の仕事は「いる人」にしか来ない。
日本にいて「仕事なら呼んで下さい」なんてのはこの国ではあり得ない。
この国に「いない人」などに仕事は来ないのだ。
ちなみにひとつ目のミーティングの時にその会社でいた人間はこの時に一緒に飲んでいるし、
ふたつ目のミーティングの人達も私も彼もよく一緒に仕事をしている。
この世界はどこかで誰かが必ずつながっているのだ・・・
先日のライブの時にRebellioNに
「国内最大のイベントをやるから出演してくれ」
と言ってたDongLinもつい最近までこの会社でいたのだ。
そのイベントの話も出始めたのでそうそうにおいとました。
もうひとつプロジェクトを抱えたら潰れてしまう。
大決定になったら教えてくれればそれでいいのだ。
さて最後のミーティング!!
ここまで別のプロジェクトが詰まって来たら寧夏の方も詰めなければならない。
院子に帰ってこれを紹介したLaoWuと、
ある時はアシスタント、ある時は便所掃除と石炭焚き、
またある時は「经纪人(JingJiRen:マネージャーと言うか社長みたいに偉い存在)」となって方言(Fang Yan)にギャラの交渉をしてもらわねばならない。
先方の送って来た企画書とスケジュールを一生懸命解読して、
「ファンキーさんぐらいならこれぐらい取らなきゃ」
とまたむっちゃ法外な値段を提示する。
友人関係の安い仕事ばっかやっているのでワシには「法外」としか聞こえないが、
彼らにしてみたら
「テレビ局なんてスポンサーからがっぽり金取るんだからあんたが値段を安くする必要はない!!」
となかなか手厳しい・・・
でもいいのだ。万が一それで通れば大儲けだし、
敬遠されてボツになったら現状のようにスケジュール調整で頭を悩まさずにすむ。
ぽっこり空いたスケジュールに全中国ひとりドラムツアーを入れて青島音楽祭を入れればいいだけの話だ。
この時間になって全ての処理が終わった・・・
あとは「日中友好こども(大人も可)サマードラムスクールの日本語ページを立ち上げるのみ!!
数日後にページ立ち上げてUPしますのでお楽しみに〜!!