2013年3月11日
北朝鮮のタブレット分析(アプリ編)
いかん!!面白過ぎて他の仕事が手につかん!!
引き続き北朝鮮の最新式タブレットの、今日はそのアプリを分析!!
OSはAndroidだったのでシステムを英語化してみたが、
それでも英語化されない北朝鮮独自のアプリがたくさん入っている。
まず興味深いのは、カレンダーなどAndroid純正のものを使わずに、独自のプログラムを開発していることだ。
北朝鮮の年号は、
日本が「昭和」だの「平成」だの天皇が変わる度に和暦が変わるのと違って、
金日成生誕日を元年とする「チュチュ暦」がずーっと使われているが、
このカレンダーにも西暦と共にその年号が使われているのと共に、
個人的には日にちの右側に陰暦も表示されるのが興味深い。
中国ほどではないにしても陰暦が庶民の生活習慣の中にあるんだなと想像させる。
アドレスブックもハングルの部首によって索引出来る独自のものを使っているが、
立ち上がる時の画面を見るに、庶民の生活の中に携帯電話というのがこれほど浸透しているんだなと痛感させられる。
iBookに相当するような書庫もいろいろ入っている。
読めるハングルを駆使するに、「金日成」「金正日」という書物はやはりお国柄か・・・
辞書もいろいろ取り揃えている。
まず日本で言うと「国語辞典」とも言うべき「朝鮮語辞典」
そして「中国語辞書」
「英語は敵国アメリカの言葉だから使ってはならぬ」とか日本のいち時代とは全く違って「英語辞典」。
英語はイギリスの言葉なのよ〜ん・・・
そして「朝鮮の歴史」っつうのはお国柄か・・・
個人的に興味深いと思ったのがこの「コンピューター用語辞書」。
人民のコンピューター普及率を伺わせる・・・
さて次はゲームである。
↑↑大砲で網を打って魚を捕まえるゲーム↑↑
BGMがJazzっぽい音楽だったのが興味深かった。
中国みたいにそのまま外国の音楽をパクったりしてるとは考えにくい。
北朝鮮の音楽にJazzの要素も入って来ているということが個人的に非常に興味深い。
↑↑でっかいパチンコでキャラを飛ばして点数をGETするゲーム↑↑
↑↑同じ果物を消してゆくゲーム↑↑
↑↑ビリヤード↑↑平壌市内ではビリヤード台は見たことなかったが・・・
↑↑バスケットボール↑↑
↑↑ブロック崩し系↑↑
↑↑飛行機を無事滑走路に着陸させるゲーム↑↑
↑↑朝鮮将棋↑↑
平壌の街角でも人民が将棋を打ってるのを見たことがある。
日本の将棋よりは中国将棋に近い。
↑↑パンダのゲーム↑↑
北朝鮮でもパンダは人気キャラなのね・・・
↑↑バトル系のゲーム↑↑
なのだが、この国のゲームで戦車とか使われていると何となくいや〜な気がするのはワシだけなのであろうか・・・
↓↓これは人、というかキャラを打つゲームなのでこれもちといや〜な感じ・・・
さて特筆すべきは、iPadやAndroid機のようにちゃんと傾きを関知するセンサーによって動作するゲームである。
中国なんかのバッタもんタブレットと違って、
非常によく出来た「製品」だとワシは思う。
Androidはシステム自体にも手を加えることが出来るOSであるが、
昔中国で買ったバッタもんのタブレット、
これには携帯でないと使えない機能などもそのまま残したままだったし、
手など加えずにそのまま携帯の画面を引き延ばして大きくしただけの残念なものだった。
しかしこのタブレットは作り手の「こだわり」を強く感じることが出来る。
とかく日本人は中国と北朝鮮を同じように考えがちだが、
大陸的な中国人の国民性とは大きく違うとワシは思う。
アジアではベトナム人が日本人と同じように勤勉で几帳面な国民性だと言うが、
北朝鮮の人民もそれに負けない国民性だと思うぞ。
このタブレット、なかなかのもんである・・・(シミジミ)
北朝鮮ロックプロジェクトまとめはこちら
Posted by ファンキー末吉 at:09:07 | 固定リンク
2013年3月10日
北朝鮮のタブレット分析(フライング編)
北朝鮮から持ち込んだタブレット、
「海外で遊び呆けている週刊アスキーの担当者が帰国してから一緒に分析しよう」
と思ってたのだがどうしても我慢し切れなくなってフライングしてついに電源を入れてみた!!
以下はキャプチャー画像
おいおい!!ロケットが打ち上がっとるぞ!!!!
これにはさすがに腰抜かすぐらいのインパクトがあった。
機体には「銀河3号」と書かれているところを見ると、
やはりこのタブレットは少なくとも1年以内に製造された最新式と考えてよかろう。
中央の輪っかを右側のカギマークのところに持って行くと、
ロック画面が外れていよいよタブレットを操作することが出来る・・・
おおっ!!!!これはっ!!!!!
アイコンを見るにこの真ん中にあるヤツはブラウザではないのか!!!
するってーとこれはインターネットにつながるのか?!!
つながらない!!(>_<)
しかしよく見ると左上にAndroidのマークがあるところを見ると、
やはりこのタブレットのOSはAndroidなのであろう。
ブラウザの履歴を覗いてみる・・・
ここにある全てのアドレスを別のパソコンで手打ちで入力してみたが、
どれも接続出来なかったところをみると、
きっとこれはインターネットではなくイントラネットに接続するのであろう。
どうやってやるんやろ・・・USB接続かなぁ・・・
とにかく言語がハングルでは皆目わからんので、
手探りで言語設定らしきところを探してみる。
これをEnglishに変更すると・・・
英語化された\(^o^)/
Androidはあまり詳しくないのだが、
これに日本語キットをインストールしてやれば日本語化するのは簡単だろう(ワクワク)
ちなみにアプリ一覧を開いてみると問題のテレビっつうのがあった。
やはり北朝鮮のテレビにチャンネル固定されているようだ。
当然ながら砂の嵐(笑)
誰か改造してこのチャンネルを日本化出来んもんか?・・・
ハードの改造は失敗したらタブレットが文鎮となってしまうので危険だが、
ファクトリーリセットがあるのでソフト的なところはいくらいじっても大丈夫そうだ。
海外で遊び呆けている週刊アスキー担当者が帰国するまでいろいろと遊んでみよう・・・
北朝鮮ロックプロジェクトまとめはこちら
Posted by ファンキー末吉 at:11:48 | 固定リンク
2013年3月 7日
北朝鮮に初めてiPhoneを持ち込んで国際電話をかけた日本人
今年から北朝鮮に携帯電話が持ち込めるようになったということはネットニュースなどでも伝えられて来た。
ところが「持ち込めるようになった」のと「実際に持ち込める」のとは大きな違いがある。
例えば中国など国際免許が通用しない国で、
「現地で免許が取れる」
という風には早くから伝えられていたのだが、
ところがワシのような不法就労の身では
やれ居住証だやれZビザだと現実的には
「免許など金でバッタもん買った方が早い」
というのが現実である(笑)
「北朝鮮で外国人用にSIMカードの販売が開始され、
携帯電話で国際電話がかけられるようになった」
というニュースは既に流れていたが、
「実際私たちのような旅行者が本当にそれが出来るのか」
というのとは現実としてまるで違うのである。
奇しくもワシは今年になって北朝鮮に入国した最初の日本人であるらしい。
北京発平壌行きの飛行機は相変わらず中国人客を満載してたが、
平壌空港に着いたらその中国人客は皆携帯電話を税関職員に差し出してるではないか・・・
「ほら見てみぃ」という気持ちで私も携帯電話を差し出した。
大体にしてニュースというのはこんなもんである。
誰もそれを確かめもせずに流しているのだから・・・
あきらめてそのまま税関を出ようとしたら、
いつもの案内人がやって来て
「携帯電話の預かり証はもらいましたか」
と言うので、
「あ、そう言えばもらってねえや」
とばかり引き返す。
案内人が二言三言税関職員と話していたと思ったら、
職員はなんとそのまま携帯電話をぽんと渡してくれた。
「え?!!ウソー!!」
ワシはつい取り乱してしまったが、
追い打ちをかけるように案内人はこう言った。
「外国人用に電話のカードも売ってますけど買いますか?」
ワシはついに絶叫した!!
「え?!!ホントに買えるの?!!すっげー!!!」
空港内であまりに狂喜乱舞していたので案内人に注意されたぐらいである(笑)
見れば税関を出た所にこんな看板がある。
まるでネットにつなげんばかりのポスターではないか!!(ワクワク)
ワシは迷わずSIMカードを購入した。
一番安いパックを中国元で支払う。
450元・・・日本円でだいたい7000円ぐらいであろうか・・・
中国から持ち込んだGSM携帯もあったが、
ここでは3G携帯しか使えないと言うので、
迷わずiPhoneにこのSIMを挿すことにした。
「iPhone5か?」と聞かれるので「4Sです」と答えたが、
よく見るとカウンターの裏にはSIMカッターが2つ置いていて、
おそらくひとつがmicroSIM用、もうひとつがnanoSIM用で、
客の電話の種類によって通常のSIMをカットするのだろうと思う。
SIMにはPINコードが設定されていて、
カウンターのお姉ちゃんが「0000」打ち込んだら、
なんと見事にiPhoneはこの北朝鮮製のSIMを認識しているようだ。
試しに電話をかけてみたいのだが、
「この携帯は国内にはかけられません。国際電話だけです」
と案内人が言う。
まあどうせこの国内に電話をかけるような友達はいないのだ。
ワシは迷わず嫁の携帯に電話をした。
ワシは興奮している。
なにせ日本人で初めて北朝鮮国内から日本に携帯で電話しているのだ。
それを受ける歴史的な相手は嫁!!
平壌から愛を叫ぶのだ〜!!!!!!!!
電話の呼び出し音が鳴る。
ワシの心臓は興奮でもう飛び出しそうである。
嫁が電話に出た!!
ワシは興奮してまくし立てる。
「奥さん?!電話番号表示されとる?!!
これ平壌のSIM!!凄いやろ!!携帯で電話しとるんやで!!」
嫁:「ふーん・・・」
この歴史的な大きな目撃者であるべきその相手は「ふーん・・・」(号泣)
ワシは涙を拭いて携帯を切った。
兎にも角にもワシは北朝鮮にiPhoneを持ち込んで国際電話をかけた初めての日本人となったのだ!!!(涙)
見ればKoryoLinkからメッセージも届いている。
Thank you for choosing koryolink.You have 4200.00 Won and valid until 2013-03-05To recharge your account or check on your balance please
「おうっ!!」とばかり嫁にSMSを送ってみるが、
残念ながらSMSは送れないようになっているらしい。
同様にネットにも接続出来ないらしい。
しかしこの記事によれば2月末からネットに接続も出来るという話である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130306-00000021-jij-kr
まあわからんけど・・・
「出来るようになった」と「実際出来る」というのは大きな違いなのだから・・・
さて、このKoryoLinkのSIMなのであるが、
高い金を出した割にはあっと言う間にチャージがゼロになってしまった。
中国と同じで受信しても通話料を払わねばならないのだろうが、
受信もちゃんと出来た。
「パパ〜あれどこに置いとったっけ?」
これでおそらく1000円は吹っ飛んでいるのだろう(笑)
まあいい、たっぷり楽しんだ!!
ファンキー末吉、北朝鮮で最初にiPhoneで国際電話をかけた日本人・・・
携帯オタク以外には自慢出来んか・・・
ちなみに中国、日本から持ち込んだ全てのSIMはローミングが出来なかったので、
現状あの国で携帯を使うのはこのSIMを購入する以外ない!!!
以上!!携帯マニアにはヨダレもののレポートであるが、
実はもうひとつとても大切な事実がある。
核実験を行って世界的に孤立している北朝鮮であるが、
それと相反するように実は外国人に対してどんどん門を開いているということだ。
アメリカと敵対しているというこちらの報道だけを見たのでは頭を抱えるだろうが、
実際同じ飛行機に乗り合わせたアメリカ人女性は、
アメリカの会社が平壌に開いた事務所に赴任して来る人であった。
テレビ等のニュース等では読み解けないいろんなものが世界にはある。
この目で見て自分で判断しないとなかなかホントのことはわからない
というのがワシの持論である。
天安門事件だって日本で報道されているのとはだいぶ違ってたし、
チベットやモンゴルの人権問題に関してもワシが見て来たものと報道とは大きくかけ離れている。
報道が「視聴率」つまり「ウケ」を追求するようになったからこうなるのだろう。
情報が溢れている昨今であるがゆえに、
我々はもっといろんなことを考えながらその情報を選択しながら受け入れていかねばならないのではないかと強く思う。
北朝鮮ロックプロジェクトまとめはこちら
Posted by ファンキー末吉 at:22:07 | 固定リンク
2013年3月 1日
北朝鮮のタブレット分析(序章)
北朝鮮製のタブレットの話題はネットでも検索することが出来る。
しかしワシがGETしたこの機種は明らかに最新機種であろう。
何故なら・・・
アンテナがついておるーーー!!!!!!!!
いや〜ケースでこれだけ興奮するのだからケースを開けるとショック死するかも知れん(笑)
しかし何故にアンテナ?????
ワンセグ等でテレビが見れるとしたら、
それは北朝鮮人民は外国のメディアを見てはいけないわけだから朝鮮中央テレビにチャンネルが固定されてることじゃろう。
ラジオだとしても同じくである。
つまり日本では何も役に立たん(笑)
しかしこれが実はワシの心を鷲掴みにするのである!!
役に立たんものほど美しいもなはない!!
ドキドキしながら箱を開けてみる。
箱はiPad等のように開ければ一番上部に実機が納められているが、
それは上げ底になっていてその中には備品等が入っている。
上げ底を開けてみると、またここでワシはツボにグサッと入ってしまう。
なんと電源ケーブルとUSBケーブルが別々に入っているではないか!!!
ここは笑うところか悩むところか判断に苦しむところである。
電源アダプターにUSB出力さえつければその部分のケーブルは必要なく、
つまりケーブルは1本でいいことになる。
物資の足りない北朝鮮でわざわざ同じようなモノを2本もつけて売る必要がどこにあるのか・・・
ふと思いついてワシは電源アダプターの裏を調べてみた。
やはりこれは中国製!!
日本のみなさんはここで「中国製のバッタもん」などと笑うかも知れないが、
北朝鮮の事情を知っていればこれは実はもの凄く「深い」事実である。
まずは自由経済ではない北朝鮮に基本的にバッタもんはない!!
誰でも勝手にバッタもんを作って売りさばいて金持ちになれる市場はこの国にはない。
モノを作る、販売するは全て国家が管理統制してやっているので、
基本的に中国と違って「バッタもん」という概念がまだ存在し得ないのである。
「ほな国家がバッタもん作ってんのとちゃうん」と反論するかも知れないが、
北朝鮮という国家の経済水準は、まだ中国からモノを並行輸入してそれを高く人民に売って利益を得ようというレベルには達してない。
つまりこれは「この部品だけを中国から並行輸入した」と考えるのが正しいのではないか。
中国でのパソコンの流通度を考えると、
日本でもそうだが今や電源アダプターにUSB出力があり、
それにUSBケーブルを差し込んで充電するのが主流である。
ゆえにもう既に古いタイプであるこのテのようなケーブルのついた電源アダプターは、中国ではもう市場がないので自国で生産するよりも輸入した方が安く手に入れられるからではないのか。
そしてもうひとつ付属しているUSBケーブルは、
逆に中国などでは需要が非常に多いのでこれも安く手に入れられる。
ゆえに自国でパワーサプライを生産するよりも、
こうして2セット同じようなモノを中国から輸入する方が安かったのではないか。
またもうひとつは、
付属品としてUSBケーブルをつけなければならないということは、
この国(主に平壌市民なのであろうが)には相当の数のパソコンが出回っているということである。
つまりこのタブレットを購入する人は、
そのほとんどがパソコンを持っているということなのである!!(凄)
以上の点はこのレポートを見た経済学者が国防のために真剣に分析してもらいたいところであるが、
専門家でなくてもこの事実を見て、
世界中から経済制裁されているはずの北朝鮮に中国からどれだけの物資が流れているかは想像に難くないだろう・・・
さて、備品だけでこれだけ楽しめるのである。
本体のスイッチを入れたら悶え死んでしまうやもわからないので、
とりあえず外観を楽しむことにする。
一番問題なのはケースの写真にある「アンテナ」である。
「アンテナなどどこにもないやないかい!!」
と探していたら、老眼なのでよく見えなかっただけでこのようなくぼみを発見!!
これだけわからなく作るのも実は難しいのではないか?(笑)
いや冗談はさておき、この国の科学力をナメてかかるのも早計である。
何せこの国はお隣韓国でさえまだ成し得てない人工衛星打ち上げに成功しているのだ。
人工衛星のボディーの曲線を作る技術を応用したらこのぐらいのことは朝キムチ前であろう・・・
というわけでこれを引っ張り出してみたら見事にアンテナが出現!!
あとは電源を入れるだけである。
一番興味があるのはOSである。
ワシは中国でもバッタもんのタブレットを入手したが、
このOSはAndroidだった。
まあ分かり易く言うと、スマホをそのまま数倍の大きさに引き延ばしたタブレットなので、基本的に解像度が低くて使いもんにならん!!(笑)
自由経済の中国で、金のためなら何でもするバッタもん業者が、
Androidをそのまま使ってバッタもんタブレットを作るならわかるが、
国家が管理製造する北朝鮮ではちょっとそれは考えにくい。
何せこの国は人工衛星を打ち上げて軌道に乗せる科学力を既に持っているのだ。
そこで引っかかることが、
今回案内人とパソコン関係の会話をした時に「ソフト」のことを「ソース」と訳したことだ。
「Source」・・・つまりプログラム言語のこと・・・
ということはこちらではソースを書き換えてプログラムをユーザーが開発出来る環境があるということだ。
とするとMacのようにそのプログラムソースを公開していないOSではなく、
Linuxのようにソースを公開しているOSだということになる。
よくよく考えてみると、
人民がインターネットに接続出来ない国で、Windowsだの有りもののOSはその機能の半分以上は役に立たないのだ。
とするとソースを自由に書き換えられるAndroidかLinux・・・もしくは人工衛星を軌道に乗せる科学力を駆使して自国独自のOSを既に開発しているのか?・・・
いかん!!!もう電源を入れる前に既に悶え死んでしまった〜!!!
電源入れずに蓋をして週刊アスキーの編集者が帰国するのを待つとするか・・・
to be continued
北朝鮮ロックプロジェクトまとめはこちら