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2008年9月27日

全中国ドラムクリニックツアーその7、浙江省「寧波」

パール工場のある杭州から朝一番のバスに乗り、
我々は寧波に向かった。

VisionNingBoBus.jpg

バスの中はすし詰め。
真後ろの席は香港からわざわざやって来たSabianアジア地区総責任者のジョナサン。

彼はいい!
隣が美女である。
ワシは相変わらずの酒飲みイスラム族のオッサンと肩を並べて数時間バスに揺られる。

着いた。
暑い!!!

海沿いの町なので湿気も多いし、むっとする暑さである。
クリニックは夜からなので、昼飯時にお決まりの地ビールを頂く。
世界広しと言えど、ワシほど中国の地ビールに詳しいミュージシャンはいない(断言!!)

VisionNingBoBeer.jpg

ここでいつものように地元のパール倶楽部の人と交流。
ほとんどの人はミュージシャン目指して北京に来て、
そして夢破れて田舎に帰り、
パール倶楽部というドラム教室をやっている。

ここの馬先生もそうなのじゃが、
その人の言った何気ない一言にワシはカチンと来た。

「だってドラム叩いたっていくらも金にならないでしょ」

ビールがいきなりまずくなってムッとするワシに更に続けてこう言う。

「要はファンキーさんがいくら稼いでますかって話ですよ」

またワシのその日の服装がよくない。
墨田区のサウナの景品でもらったアサヒビールのTシャツ。

VisionNingBoAsahi.jpg

またこれが自慢じゃないが安っぽい。
それをちらっと一瞥するように見てから言うもんだからよけいに頭にきた。
すんでのところで
「こんな格好しててもなぁ!ワシはなぁ!・・・」
と言いそうになって、
その言葉をビールと共に飲み込む。

一事が万事で、
イヤだと思うと坊主の袈裟まで憎くなって来る。
クリニックの流れ、最後のサイン会の段取り等を話している時も、
酒飲みイスラム族が
「100枚ポスター送ってあるだろ、並んでそれにサインするんだ」
と言うと、
「ポスター?売るか?」
と来る。

ワシはブチ切れそうになったがビールと共にそれを飲み込む。
貴州省貴陽に行った時
地元のライブハウスの人は
「あいつなんか子供騙して商売してんじゃないか!」
とパール倶楽部のことを悪く言った。
でも実際に行ってみると
そこには音楽好きの、ドラム好きの素朴なおっさんがいた。
彼が子供を騙して商売にしてるなら、
そのライブハウスのおっさんは酔いどれ騙して商売にしている。
同じようなもんなんじゃないの?

しかしここ寧波の馬先生に面と向かってそう言われると、
まるでワシは本当に子供を騙して商売している片棒を担いでいるようで悲しくなってしまう。


ホテルでしばし休んで会場入り。
腹が立っているので写真は撮ってない。
暑いのでいらいらも増す。

大学生のJazzバンドとセッションと言うので楽しみにしてたら、
JazzのJの字も知らない連中でよけいイライラする。

オープニングアクトに地元のフィリピンバンドが演奏すると言うのが
意味がわからなくてイライラする。

気づいたらそのフィリピン人ドラマーがワシのスティックを勝手に使っているのを見てイライラする。

「Jazzバンドはフィリピン人の機材を使うので、
フィリピン人が終わったら機材をすぐ持って帰ると言うので
セッションは一番最初にしましょう」

ずっとワシらの世話をしてくれてる若い衆がそう言うのにまた切れて、
「あのなあ、何がセッションじゃ!
そのレベルにも至ってないじゃないの!
そんなのを一番最初にやって客を失望させてどうすんの!
最初はちゃんとしたワシのプログラムやって、
途中でそれを入れるしかないでしょ!!
フィリピン人には2曲だけ待ってもらえ!!」

こうしてドタバタの中でワシのステージが始まったのじゃが、
考えてみたらワシも非常に大人げない。
何か悲しくなって音楽に没頭した。

持って来た伴奏はイヤホンで聞いているので、
馬先生だの観客だの関係ない。
完全に音楽に入り込んでしまうと、
神様が降りて来てワシにこう問う。

「そんなこと考えてておまえは幸せか?
馬先生がお前に何か迷惑をかけたか?
セッションバンドのレベルが低いののどこが悪い?
フィリピンバンドがスティック使って何が悪い?
それが今日一日を棒に振るほど大事なことかい?

そうなのである。
そんな小さなことに捕らわれてて、
結局今日半日は面白くない日で終わっている。
それで今日の演奏までよくない演奏だったらもうどうしようもない。

もともとそうである。
ドラムを叩くということと、世間とは何も関係ないのである。
世間はいつだって世知辛いけど、
ドラムを叩くこととそれは関係ない。

今日はいいドラムが叩けた、それだけがワシにとって大事なことで、
その他のことで腹を立てたり悲しんだりする必要はワシにはないのである。

気を取り直してドラムに身を入れた。
何か今日は一番いいドラムが叩けた気がする。
すがすがしい気持ちで打ち上げに参加した。

セッションバンドのピアノの娘は
ワシらを世話してくれた若い衆の彼女だった。
面と向かって彼女の悪口を言われながら、
彼はそれでも一生懸命ワシらの世話をしてくれた。

あやまる気持ちをイッキで返させてもらった。


テーブルには名物が並ぶ。
一番すごかったのが寧波の名物で、
「寧波三臭」

みっつの臭い物という意味で、
ひとつは「臭豆腐」。
納豆が大豆を発酵させたものであるように、
臭豆腐は豆腐を発酵させたものである。

これは北京でも食べたことがある。
揚げたやつがポピュラーじゃが、
生の臭豆腐はそれはそれは臭い。
食卓に出て来た時にあまりの臭さに箸をつけられなかったが、
一緒にいた日本人留学生が勇気を出して食べてみた。

「どんな味なん?・・・」

興味津津のみんな・・・

「何かうんこ食べてるみたい・・・」

お前うんこ食うたことあるんかい!!!

と言うわけで食べなかったワシにはその味のほどは不明じゃが、
今回出て来た臭豆腐以外のふたつのものは、
そんなに想像してたよりも臭くない。

VisionNingBoSanChou.jpg

左側は冬瓜、右側がシナチクである。
匂ってみてもそんなに臭くないのでパクっと一気に食ってみたら・・・

あまりに臭くて涙が出た。
匂っても臭くないが食べたらとてつもなく臭いのである。

ギブアップ!!

一緒に臭い物食った仲である。
もう地元の人とも和気あいあい。
イヤなことは全部酒に流して忘れてもらおう。

これでみんなもう「臭い仲」
これでいいのだ。

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