2016/08/02
喜欢!(XiHuan:好き!❤️)
元はと言えばこの張嶺(Zhang Ling)の撮影の時のことである。
カメラマンのアシスタントとしてえらいべっぴんさんが来てはるなぁとは思っていた。
まあ男とはアホなもんなので、ちらちらとワシの方を見ている視線を感じるような「気のせい」は、まあ大女優と会った時にもそういう風に思うのだからこりゃもうどうしようもない(>_<)
人間とは「煩悩」の生き物なのだから、
偉大なドラマーを目指す人間としてはどれだけその「煩悩」を振り払うかが日常、
それこそスティックを持ってない全ての時間がその「鍛錬」なのである。
そう、それは「撮影」という仕事(でもないが)の時であろうとそうなのである!!
・・・と心の中で強くそう思いながら煩悩を打ち払う・・・
ところがどうも「どこかで会ったことがある」などと思うのはどうしたものか・・・(>_<)
まあ有名女優さんだったら「どっか」では見てるだろうからいざ知らず、
一般人の美女とそう出会う機会はない(というか若い娘に至っては皆無である)ので、
まあそれも「煩悩」のひとつなのかなぁと思ってたら思い出した!!
彼女は去年BB-King追悼ライブの時にドラムを叩いていた女性ドラマーではないか!!(◎_◎;)
(左から6番目の金髪の女性)
まあなるほどね、ギタリストがカメラマンでドラマーがアシスタントで、
みんなでブルース仲間の張嶺(Zhang Ling)の撮影を助けているなんてのはよくある「いい話」である。
まあドラマーだったらワシのことを意識するのも当然だろうし、
ワシの撮影が終わったら
「一緒に写真撮って下さい」
と言うのもまあ当然の流れであろう・・・
一緒にぱちり・・・
そしてその後、彼女が自分のWeChatにUPした写真を見て愕然となった・・・
まあ写真はいい!!
それに添えたこのコメントは何じゃ!!!!!!!
喜欢!(XiHuan:好き!❤️)
ちなみにハートマークは「意訳」としてワシが勝手につけたものだが、
ニュアンスとしては「喜欢!(XiHuan)」は「Like」、
「愛(Ai)」は「Love」で「想(Xiang)」は「Miss」なので、
面識はあるが話したこともないような関係で「Like」というのはまさに「好き!❤️」ということではないのか〜〜〜!!!!!!!!!!!!
まあそういうことを美女から言われたことがほとんどないワシにとっては、
まあ例えてみると生まれて初めてオナニーをしたぐらいの衝撃がここにある・・・
まあ冷静になって考えてみたらワシのルックスが「好き!❤️」なわけではないじゃろうから、
まあドラマーとして「好き!❤️」なのであろうと逸る心を押し留める・・・
奇しくも翌々日はマッド大内さん、佐々木隆さんが北京に来て一緒にライブをやるではないか!!・・・
・・・まあそれにご招待してお近づき・・・
いやいやドラム談義でもしてお近づき・・・
いやいやドラマー同士の交流が始まって中国ロックの発展のために何かお役に立てばと思う次第につき、
まあ「しゃーないな〜」ということで、次の日にメッセージを送ってみる・・・
「明日は日本から凄いドラマーが来て一緒にライブをやるよ、来る?」
まあね、ちゃんと彼女のWeChatをGetしてるのもこれも中国ロックの将来のためやからね、誤解なきよう・・・
ところが待てども待てども返事が来ない!!(待っとったんかい!!)
これはひょっとして・・・
好きで好きでたまらない人から思わずメッセージが届いてびっくりして、
恥ずかしくて返事が出来ない?・・・いや、それはちょっと困るなぁ・・・
などと思いながら当日(笑)
まあ一応
「来るの来ないの?名前入れとくよ」
とメッセしてみると・・・
「ごめんなさん、今日はデニスチェンバースのクリニックを友達と見に行くの・・・」
そうかぁ、デニスチェンバースが今全中国を廻っていて、
ワシも見たかったのじゃが残念ながら同じ日だったのよね・・・
まあこれが他のどうしようもないドラマーだったら少々「カチン」と来たかも知れないが(笑)、
相手がワシも大好きなデニスチェンバースだったら負けてもそれは仕方がない。。。
でもまあ、中国のライブハウスは演奏開始が遅いので、
「じゃあそっち終わったらよかったらおいでよ、友達の分も2名で名前入れとくから」
とメッセージを入れておく・・・
一応ライブは「9時」と告知されているが、
「開場」とか「開演」とか書いているわけではなく、
まあリハの時から「開場」っつうか客は入ってるし、
もし9時になって客足が悪かったら9時半とか、
まあ中国だから適当にユル〜く始まる。
この日は「ファンキーさん、まだ始めないの」と出演者に言われても、
「まあのんびり始めようや」
となかなか始めなかったのは、
決して自分のトリオが最初だから彼女にそれを見せたいためではなくね・・・
まあ、ひとりでも多くの若いドラマーに見せなければっつうかね、
なんと言うか、まあ中国ロックの将来のためにね・・・
まあ30分遅れで始まって、
張張と渋谷有希子とのファンキー末吉トリオも終わり、
それに佐々木隆を加えての超絶ツインドラムセッションが終わって、
汗だくになってステージを降りてしばらくして客席に彼女の姿を見つけた。
「間に合ったんだ?・・・」
そう聞くワシに彼女は
「ごめんなさい、さっき着いたばかりなの・・・」
「でもまあ、最後の布衣(BuYi)のセッションでも叩くからね」
(ワシ満身の笑顔ね)
まあ今演奏している小畑秀光マッド大内セッションが終わればワシのドラムを叩く勇姿を彼女に見せてあげることが出来る・・・
いやね、別に彼女が好きなのはワシのドラムであって、
別に彼女の気を引こうっつうんじゃないよ。
中国ロックのためにね・・・
ところがワシはそのステージが終ってまさに自分がステージ上がろうとした時に見たのだ・・・
彼女が一緒に来た男性と腕を絡めて仲良くライブを見ているのを・・・
(涙)・・・「友達」って「彼氏」だったのね・・・
布衣(BuYi)セッションが始まった。
「それでも一生懸命ドラムを叩くぞ!!」
と思って張り切るワシを尻目に・・・
彼女はライブを見ずに彼氏と手に手を取ってそのまま帰ってしまった・・・(号泣)
もうね、わけがわからない!!
ライブハウス来たのはいいけどドラム聞かずに帰るって、
この娘ワシの何が「好き!❤️」なの?・・・
ひょっとして顔か?!!(◎_◎;)
まあオーストラリアでは(おっさんばかりではあるが)モテ期を実感したことはしたが、若い女性ドラマーがワシのドラムより顔が好きってあーた・・・
などと考えていたらドラムのリズムが「煩悩」によって乱されるので、
一生懸命「煩悩」を振り払ってドラムを叩く・・・
「心が揺れる」は即ち「リズムが揺れる」・・・
このぐらいのことで心動かしてちゃぁ立派なドラマーとは言えない!!
最後の曲「喝不完的酒(HeBuWanDeJiu)」で3人のドラムソロ!!
まずはマッド大内がフリーな感じのロックスタイルで叩いてワシにバトンを渡す。
受けたワシは間を取ったロック+フュージョンスタイルで叩いて佐々木さんにバトンを渡す。
ここで初の試みなのじゃが、
佐々木さんのポリリズムを駆使した超難解なドラムソロは、
基本となる「1、2、3、4」がないと単なる「デタラメ」に聞こえてしまう・・・
「じゃあ佐々木さん、私が叩き終わったらテンポ出しますからそれに合わせてドラムソロ叩いて下さい」
別にハイハットでも何でもよかったのだが、叩いたのはライドシンバルのカップ。
「チーン」・・・
「1、2、3、4」はとりあえずはハイハットを踏んでみる・・・
何年か昔、店の新年会の時だったか佐々木さんのドラムソロに合わせてカウベルを叩いたのだが、
「本当に合ってるの?」
という不安と共に冷や汗をかきながらカウベル頭打ちを続けてたもんだが・・・
この日は違う!!
何と「何を叩いているか」が全部わかるのだ!!(◎_◎;)
リズムとはとどのつまり「時間の流れ」である。
細分化された細かいリズムを聞きながらそれに合わせていったって仕方がない。
時間軸を大きく取って、
「1小節が1拍」
みたいな気持ちで叩くのだ。
「チーン」
合間にハイハットを4分で踏むと「チゥチッチッチッ」、
しかしこれは私自身が1小節を細分化して固定してしまうので、
もう「チーン」だけにして、頭の中で「1、2、3、4」と数える程度に留める。
そうすれば佐々木さん自身もこの「チーン」と「チーン」の間を4分割ではなく3分割、場合によっては5や7で分割してもよい。
「自由度」が生まれるというわけだ。
更にその「チーン4つでひとつ」みたいなもっと大きなうねりを感じて来る。
「空間」を「表現する」というか「感じて来る」のである。
(そのうちネットにライブ映像がUPされると思いますのでそしたらここにUPします)
そうするとこの「チーン」の響きが何かとても高尚なものに聞こえて来る・・・
最初のうち佐々木さんの何拍子かわからない複雑なポリリズムをあっけにとられながらポカンと聞いていた観客も、
「あ、これ・・・4拍子なんだ・・・」
と気づいて来る・・・
ひとり、またひとりと気づいては、舞台下手の佐々木さんに目が釘付けになってた観客も、
ハッと気づいてワシの方を見る。
誠に不思議な光景である。
観客が、超絶ドラムソロをやってる演者だけではなく、
「チーン」しか叩いてないワシの方を交互に見るのだ・・・
「神様が降りて来る」
と音楽をやってる人間の間で言われる感覚があるが、
この時こそまさに「神」が見えた!!
いや、「神」というとキリストのように西欧系をイメージするが、
この場合は明らかに東洋系・・・
この「チーン」の間に頭の中に数えてる「1、2、3、4」・・・
これが「ポクポクポクポク」に聞こえて来るのだ・・・
「チーン・・・ポクポクポクポク」
そう!!これはまさにお経!!
降りて来た「神」はまさしく「ブッダ」!!!
そうなのだ!!
ワシはついに全ての煩悩を克服して「ブッダ」と共にいるのだ!!
そう言えば昔はさっぱりわからなかった佐々木さんのドラムソロが、
全部が全部手に取るようにわかる・・・
人生は難解なものだが、
もしも人生を俯瞰で見ることが出来たらこんな感じなのかも知れない・・・
「神の世界を見た」
これは人間界ではあり得ないほどのトリップを生み出す・・・
もう美女がどうであろうとか自分がモテ期であろうとかどうでもよい!!
「解脱」とはこのことである。
ワシは今「神」と一緒にいる!!
しかもそれは「ブッダ」である!!
なるほどワシの顔は「ブッダ」・・・
そりゃ悟りを開きたい美女も寄って来るだろう・・・
しかし人生とは「無」・・・美女を追っかけてどうなる・・・
ドラムソロが終わるとシーンとしてた客席から山のような拍手が起きて、
ステージを降りる時には店のオーナーが大感激でワシをハグして来る・・・
みんなも一緒に「神」を見たのだ・・・
楽屋でもワシはハイになっていた・・・
「Funkyさん始まる前はむっちゃ暗かったのにむっちゃ楽しそうね」
渋谷有希子はそう言うが、
何せワシはついに「解脱」したのだ!!
世の中にもう「苦しみ」などひとつもない!!
マッドさん、佐々木さんは北京が初めてなので、
「明日早いけど一杯飲みに行きますか?」
などと誘ってみる。
それが実は美女が来たら誘ってみようと思ってた店だなんてことは、
もう既に「解脱」してしまったワシには全く関係ない!!
人生とは「無」なのだ!!美女がどうしたと言うのだ!!
しこたま飲んで、ドラマーが3人集まって高尚なドラムの話をするでもなく・・・下ネタ(笑)
もうね、ワシなんか「解脱」してるんだからね、
ここまで来たら「ドラムの話」も「下ネタ」も、
人生を俯瞰から見たらそんなものは全く同じに等しいものなのよ!!
そのまま楽しい宴がいつまでも続くと思ったら、
「もう3時ですよ、ぼちぼち帰らなくていいんですか、明日は7時起きですよ」
という渋谷有希子の言葉で現実に引き戻され、タクシーに乗って帰って撃沈・・・
朝起きたら頭は痛いわ気持ち悪いわ・・・完璧に二日酔い!!
老呉(LaoWu)の運転で空港まで送って行ってもらう・・・
これから3日間のサマードラム教室なのだ・・・
「なんじゃこの顔は!!」
自撮りの写真を見てびっくりする。
解脱して「世の中の苦しみから解放された」顔なんかではない!!
「世の中の全ての苦しみを背負った」ような「二日酔い」ではないか!!
煩悩じゃ〜煩悩にまみれておる!!
まみれて〜ラーラララー・・・
ps.最終形は「4小節+2拍」という形で天に昇りました・・・