2008/09/06
こちらの業者の仕事ときたら・・・
残暑厳しい日本と違い、北京の秋の過ごしやすさときたら格別である。
涼しい秋風、乾いた空気、
ビール飲んで先日出来上がった畳の部屋にごろんとなるのは至福である。
夕べはちょっと肌寒かったので、こりゃタオルケットだけでは風邪をひいてしまうなあ、
とばかり秋物の布団を出すことを決意。
実はこのたたみの台は箱になっていてそこにいろんなものが収納できるのじゃ。
中国の家具ときたら木なんかすぐに変形してしまうし、
今回はこだわって特上の木材をと発注した。
完全オーダーメイドの畳が1枚6千円程度なのに対して、
その大きさのこの箱だけで1個4万円近くする。
こんな貧民街なんか政府にいつお取り潰しにされるかわからないので、
どこに引っ越してもこの箱と畳と共に移動すれば同じ環境が手に入るというわけである。
「ミュージシャンは畳の上で死ねない」と言うので、
将来的にはこの畳をかついでドラムを叩いたらステージ上でも畳の上で死ねるぞ、
と思ってたら嫁に
「死ぬ時は普通うつぶせに倒れるから畳の下になるんちゃうん」
と諭された。
ミュージシャンはやはりどうしても畳の上で死ねないようなので、
せめて生きてるうちにたっぷり畳でごろごろしたい。
よし布団を出そう!
重い腰をあげて立ち上がった。
ちょっと小さめなので軽い畳をひっぺがす。
箱の蓋には開閉用の紐がついている。
それを引っ張ればぱかっと・・・
ぱかっと開くはずじゃが・・・
こりゃいかん。
あんましここで力を入れたら紐が切れてしまう。
どうやら業者があまりにぴったり寸法を作りすぎたので、
木の微妙な膨張のせいか箱が開かなくなってしまったのじゃ・・・

トンカチとバールで格闘してやっとこじ開けたら今度は閉まらない。
完璧に見えた業者の仕事であったが、
こちらの仕事なんて蓋を開けてみたらそんなもんである。
て言うか、その蓋が開かないのだから・・・
大騒ぎの末、結局布団はここには仕舞ってないことに気付いた。
しまらないオチでした。

