おもろい話(最優秀作品)
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2013年03月07日(木)
北朝鮮に初めてiPhoneを持ち込んで国際電話をかけた日本人

今年から北朝鮮に携帯電話が持ち込めるようになったということはネットニュースなどでも伝えられて来た。

ところが「持ち込めるようになった」のと「実際に持ち込める」のとは大きな違いがある。

例えば中国など国際免許が通用しない国で、
「現地で免許が取れる」
という風には早くから伝えられていたのだが、
ところがワシのような不法就労の身では
やれ居住証だやれZビザだと現実的には
「免許など金でバッタもん買った方が早い」
というのが現実である(笑)

「北朝鮮で外国人用にSIMカードの販売が開始され、
携帯電話で国際電話がかけられるようになった」
というニュースは既に流れていたが、
「実際私たちのような旅行者が本当にそれが出来るのか」
というのとは現実としてまるで違うのである。


奇しくもワシは今年になって北朝鮮に入国した最初の日本人であるらしい。

北京発平壌行きの飛行機は相変わらず中国人客を満載してたが、
平壌空港に着いたらその中国人客は皆携帯電話を税関職員に差し出してるではないか・・・

「ほら見てみぃ」という気持ちで私も携帯電話を差し出した。

大体にしてニュースというのはこんなもんである。
誰もそれを確かめもせずに流しているのだから・・・

あきらめてそのまま税関を出ようとしたら、
いつもの案内人がやって来て
「携帯電話の預かり証はもらいましたか」
と言うので、
「あ、そう言えばもらってねえや」
とばかり引き返す。

案内人が二言三言税関職員と話していたと思ったら、
職員はなんとそのまま携帯電話をぽんと渡してくれた。

「え?!!ウソー!!」

ワシはつい取り乱してしまったが、
追い打ちをかけるように案内人はこう言った。

「外国人用に電話のカードも売ってますけど買いますか?」

ワシはついに絶叫した!!
「え?!!ホントに買えるの?!!すっげー!!!」

空港内であまりに狂喜乱舞していたので案内人に注意されたぐらいである(笑)

見れば税関を出た所にこんな看板がある。

PyongYangSIM.jpg

まるでネットにつなげんばかりのポスターではないか!!(ワクワク)

ワシは迷わずSIMカードを購入した。
一番安いパックを中国元で支払う。

450元・・・日本円でだいたい7000円ぐらいであろうか・・・

中国から持ち込んだGSM携帯もあったが、
ここでは3G携帯しか使えないと言うので、
迷わずiPhoneにこのSIMを挿すことにした。

「iPhone5か?」と聞かれるので「4Sです」と答えたが、
よく見るとカウンターの裏にはSIMカッターが2つ置いていて、
おそらくひとつがmicroSIM用、もうひとつがnanoSIM用で、
客の電話の種類によって通常のSIMをカットするのだろうと思う。

SIMにはPINコードが設定されていて、
カウンターのお姉ちゃんが「0000」打ち込んだら、
なんと見事にiPhoneはこの北朝鮮製のSIMを認識しているようだ。

試しに電話をかけてみたいのだが、
「この携帯は国内にはかけられません。国際電話だけです」
と案内人が言う。

まあどうせこの国内に電話をかけるような友達はいないのだ。
ワシは迷わず嫁の携帯に電話をした。

ワシは興奮している。
なにせ日本人で初めて北朝鮮国内から日本に携帯で電話しているのだ。
それを受ける歴史的な相手は嫁!!

平壌から愛を叫ぶのだ〜!!!!!!!!

電話の呼び出し音が鳴る。
ワシの心臓は興奮でもう飛び出しそうである。

嫁が電話に出た!!
ワシは興奮してまくし立てる。

「奥さん?!電話番号表示されとる?!!
これ平壌のSIM!!凄いやろ!!携帯で電話しとるんやで!!」

嫁:「ふーん・・・」

この歴史的な大きな目撃者であるべきその相手は「ふーん・・・」(号泣)

ワシは涙を拭いて携帯を切った。
兎にも角にもワシは北朝鮮にiPhoneを持ち込んで国際電話をかけた初めての日本人となったのだ!!!(涙)


見ればKoryoLinkからメッセージも届いている。

Thank you for choosing koryolink.You have 4200.00 Won and valid until 2013-03-05To recharge your account or check on your balance please

「おうっ!!」とばかり嫁にSMSを送ってみるが、
残念ながらSMSは送れないようになっているらしい。
同様にネットにも接続出来ないらしい。

しかしこの記事によれば2月末からネットに接続も出来るという話である。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130306-00000021-jij-kr

まあわからんけど・・・
「出来るようになった」と「実際出来る」というのは大きな違いなのだから・・・


さて、このKoryoLinkのSIMなのであるが、
高い金を出した割にはあっと言う間にチャージがゼロになってしまった。

中国と同じで受信しても通話料を払わねばならないのだろうが、
受信もちゃんと出来た。

「パパ〜あれどこに置いとったっけ?」
これでおそらく1000円は吹っ飛んでいるのだろう(笑)

まあいい、たっぷり楽しんだ!!

ファンキー末吉、北朝鮮で最初にiPhoneで国際電話をかけた日本人・・・

iPhoneInPyongYang.jpg

携帯オタク以外には自慢出来んか・・・
ちなみに中国、日本から持ち込んだ全てのSIMはローミングが出来なかったので、
現状あの国で携帯を使うのはこのSIMを購入する以外ない!!!

KoryoLinkSIM.jpg

以上!!携帯マニアにはヨダレもののレポートであるが、
実はもうひとつとても大切な事実がある。

核実験を行って世界的に孤立している北朝鮮であるが、
それと相反するように実は外国人に対してどんどん門を開いているということだ。

アメリカと敵対しているというこちらの報道だけを見たのでは頭を抱えるだろうが、
実際同じ飛行機に乗り合わせたアメリカ人女性は、
アメリカの会社が平壌に開いた事務所に赴任して来る人であった。

テレビ等のニュース等では読み解けないいろんなものが世界にはある。

この目で見て自分で判断しないとなかなかホントのことはわからない
というのがワシの持論である。

天安門事件だって日本で報道されているのとはだいぶ違ってたし、
チベットやモンゴルの人権問題に関してもワシが見て来たものと報道とは大きくかけ離れている。

報道が「視聴率」つまり「ウケ」を追求するようになったからこうなるのだろう。

情報が溢れている昨今であるがゆえに、
我々はもっといろんなことを考えながらその情報を選択しながら受け入れていかねばならないのではないかと強く思う。


北朝鮮ロックプロジェクトまとめはこちら


カテゴリ:おもろい話(最優秀作品), 北朝鮮ロックプロジェクト
 
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